エコロジーはエコノミーでないと意味がない

福味健治

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テーマ:【エコ住宅】



エコロジーの目的は、環境性能が良い住宅を造ることであり、環境性能を売り物にする高額な住宅を買うことではないはずです。

添付の画像は機械の能力曲線と云います。お金を掛けると性能は良くなって行くことを図式で表したものです。しかし、一定のところまでは費用に伴って性能も伸びていきますが、ある点を境にして、費用に見合うほど性能が伸びなくなってしまいます。
このことは、ほぼ全ての機械製品に当てはまります。
たとえば、自転車は歩くのに比べ、数倍の能力を人にもたらしましたが、どれだけお金を掛けても、自動車を追い越せる自転車は造れません。
この様に、人が作り出した機械製品は、性能が向上するにつれて、向上する割合が鈍くなってしまう宿命にあるのです。これは、省エネ機器も同様で、高価な製品ばかりを揃えても、決して費用に見合う性能が得られるとは限りません。
よく質問で、「断熱材の中で一番性能の良いものは何か?」と云う質問を受けます。
しかし、どの様な環境・施工場所でどの程度の性能を期待するのかで、回答が全く変わります。オールマイティーの製品はないのです。
ですので、単に「断熱性能の最も良い断熱材は何か?」と云う質問は、「もっとも高価な断熱材は何か?」と云う質問に同義です。
高価な製品は多額の開発費を要し、そてに必要な環境的・人的エネルギーを浪費しなければ生まれません。それで省エネ住宅を建てても、真のエコロジーとは云えません。
誰もが、いつでも手に入る安価な材料を、その場所や環境を勘案しながら、上手に組み合わせることにより、初めてエコロジーな住宅が出来るのだと考えます。
エコロジーの目的は、環境性能が良い住宅を造ることであり、環境性能を売り物にする高額な住宅ではないはずです。
住まう人にとって、本当に暮らしやすい家とは何かを一緒に考えませんか?

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福味健治
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福味健治(一級建築士)

岡田一級建築士事務所

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