南海地震の発生確率が上昇しました。
地震の強さを表すのに震度階があります。添付の図は三つ子地震で想定されている震度の分布図です。震度階は1から7までありますが、「殆どの人が気付けば震度3」「家具や家が大きな音を立てて揺れれば5弱」と云った事象の変化を数値化したものです。
これでは、やや客観性に欠けますので、重力加速度(gal)と云う単位を用いて揺れの大きさを表します。地球の重力は地表面で1Gですが、1G=980galと規定されています。仮に980galの地震が来れば建物には1Gの力が加わった事になります。
まだピンと来ませんので、誤解を恐れず別な表現をしますと、家を断崖絶壁に横向きに建てた時に加わる重力が980galです。ご自宅の基礎の端を掴んで機械で持ち上げて傾けて行ったとします。30度くらいになると相当家が変形すると思いませんか?そんな重力が真横から加わわる事が980galの意味です。
建築基準法では、400gal相当に耐える事を目標としています。ところが阪神大震災で観測された重力加速度は880galでした。世界中で見渡しますと2000galを越える重力加速度も観測されています。
重力は常に一定に働くのに対し、地震力は周期的に変化するので、galのみで地震の大きさを表す事は出来ません。しかし、建築基準法の設定されている耐力が、生命を守りうる最低限の備えでしかない事がご理解頂けると思います。
予算の都合で免震住宅に手が出ない方もおられます。そんな時でも私は建築基準法で定める耐力の1.5倍の耐力を持たせる事を目標にしています。