上町断層帯の危険な兆候
東日本大震災は100年に一度の大災害と云われていますが、関西に住む私たちにとっても、まったく他人事ではありません。
添付のグラフは西日本で発生が想定されている、三つ子の地震の震源域を表しています。Zが東海地震、Yが東南海地震、Xが南海地震の震源域です。南海地震の震源域は最近になって宮崎県沖までエリアとする説もあります。
その下のグラフは、時間軸を縦軸にとって、各震源域での地震発生時期と間隔を表したものです。慶長・宝永・安政とほぼ100年を周期として三つ子の地震が同時発生しています。昭和19年には東南海地震、昭和21年には南海地震が発生していますが、この時は東海地震は起こりませんでした。以前の安政地震からすると、もう150年を経過しようとしています。もう地震の危険性は限界に達していると推測されている所以です。
そもそも何故地震が発生するのでしょうか。日本は四枚のプレート(地殻)の狭間に位置しています。東日本は北米プレートの上にあり、東側から太平洋プレートが北米プレートの下に潜り込む様に衝突しています。西日本はユーラシアプレートの上にあり、南側からフィリピン海プレートがユーラシアプレートに潜り込む様に衝突しています。
地球の中心部は、誕生した時に持っていた熱を未だに持ち続けています。堅い岩盤でもゆっくり対流を起こします。これをマントル対流と呼びます。年間数センチのスピードですが地殻を載せて移動しています。そしてプレートの境目では衝突を起こし、どちらかが地中に潜り込む際に、他方のプレートの一緒に引き摺り込もうとするため、その反動として引き摺られる側のプレートが跳ね上がり地震や津波となります。
また、東日本と西日本の境目には大地溝帯(フォッサマグナ)が存在し、四枚のプレートの影響が大きく出る部分として知られています。大きな地震の前後でこの大地溝帯に沿って地震が多発することも知られています。
地震は、いつ発生するか判らないのが現状ですが、地震は活動期に入ったと多くの科学者が指摘しています。三つ子地震の発生は30年以内に80%を越える確率で発生すると政府が公表しています。これから家を新築したり、リフォームする際には地震に必ず遭う事を想定しておかねばなりません。
建築基準法で規定される耐震性能は、建物の健全性を問うものではありません。倒壊しないかどうかを問うものです。液状化で家が傾いて解体を余儀なくされた浦安地域の住宅は違反建築ではありません。建築基準法通りに建てた家です。
地震が発生しても建物の健全性を維持しようと考えるならば、免震住宅の発想が不可欠となるのです。