「人がやめない組織」の秘密 〜長く働きたくなる職場はこうしてつくられる〜

言いたいことがあっても、その場では飲み込む。
チャットに書いた言葉を、何度もやわらかく書き直す。
最後は自分で進めたほうが早いと感じて、仕事を抱える。
管理職やリーダーの方には、そんな日があるかもしれません。
こんにちは^^ほめ育コンサルタントの道下真介です。
部下との関係を大切にしたいからこそ、言葉を選ぶのだと思います。
今日は、「ハラスメントと言われそうで叱れない」と感じるときに、先に確かめたいことを一緒に考えてみます。
言い方を整えても、ためらいが残る理由
一般的には、事実を確認してから話す。
こうした準備は、相手を大切にするために役立ちます。
それでも、送信ボタンを押す前や、声をかける直前に、ためらいが残ることがあります。
人が離れてしまうかもしれない。
自分の言い方が強くなりそうで気になる。
その迷いの奥には、関係を壊さずに、相手にもより良くなってほしいという思いがあるのではないでしょうか。
線引きは、資料でも確かめられます
適正な指導との線引きは、厚生労働省の資料で確認できます。
職場のパワーハラスメントは、優越的な関係を背景とした言動で、業務上必要かつ相当な範囲を超え、労働者の就業環境が害されるという3つの要素をすべて満たすものとされています。
同じ資料には、客観的に見て業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導は該当しない、という考え方も示されています。
だからこそ、制度の言葉だけで自分を止めるより、何のために伝えるのかを自分の中で確かめる時間が大切になるのだと思います。
叱るか怒るかは、相手にどう伝わるかで変わる
私は、叱ることと怒ることの違いは、相手にどう伝わっているかにも表れると考えています。
自分の焦りや悔しさを処理するための言葉は、相手に恐さや、自分勝手な印象として届くことがあります。
すると、話の中心が「なぜ、こうなったのか」という過去に向きやすくなります。
一方で叱ることは、相手がより良くなるために、今の行動を指摘する関わりです。
そのときは、「ここから、どうしたら良くなるだろう」というこれからに意識が向きます。
すぐに受け取ってもらえるとは限りません。
それでも、相手の成長を本気で考えていることが伝わるなら、必要な指摘が、これからの関係をつくる時間になることもあります。
ほめ育では、相手の長所と可能性を先に見ることを大切にします。
だから同じ型にはめるより、その人にどんな可能性があるのかを見ながら伝えることが、関係を育てる一歩になるのではないでしょうか。
指摘の前に、目的を一文にする
次に伝えたいことが出てきたときは、指摘の前に、何のために言うのかを一文にしてみてください。
例えば、「あなたがこの仕事を安心して任せられるようになるために、今ここを一緒に整えたいです」です。
相手がどうなれるとよいのかを、自分自身が見失わないための準備です。
目的が言葉になったら、次に伝える事実を一つに絞ります。
そして、相手の考えを聞きながら、これから試す行動を一緒に考えていく。
相手の未来を自分ごとのように考え、期待を持って言葉にすることも、管理職やリーダーの大切な役割だと思います。
御社で確かめたい3つのこと
・指摘の前に、相手がどうなれるとよいのかを、自分の言葉で整理できているでしょうか。
・日頃から、相手の工夫や強みを具体的に伝える時間を持てているでしょうか。
・伝えたあとに、次に試す行動を本人と一緒に考えられているでしょうか。
全部を一度に整える必要はありません。
まずは、次に伝える場面で、目的の一文をメモに書いてから話してみてください。
御社に合った関わり方は、仕事の内容や役割、人との関係によって変わります。
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参考にした資料
・厚生労働省「事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」


