【法律改正】18年6月成立「働き方改革」分かりやすい実務解説~19年4月から変わること
コンピテンシーを考えることは
「自分たちが目指すべき行動が見える」ということ
コンピテンシーとは「仕事ができる人の行動」のことです。
例えば、皆さんの会社で仕事ができる人、成果を出すことができている人は、
どんな行動をしているでしょうか。
ポイントは、意識や考え方ではなく、「行動」という点です。
もちろん、行動には意識や考え方が紐付いています。
思っていないことは行動として現れませんし、成果にもつながりません。
しかし、意識や考え方はメンバーと共有することは難しいもの。
だからこそ、「成果を出している人がどんな行動をしているか」を知り、
メンバー同士で真似をすることで、意識や考え方も含めた「価値観」を共有していく、
それがコンピテンシーを明らかにするワークです。
【公開!】コンピテンシー(行動方針)をメンバー全員で決める方
具体的なワークの方法は次の通りです。
1.各自で3~5つ選ぶ
行動の要素を表すコンピテンシー一覧(75項目)から、
「成果を出している人が行っている行動」あるいは
「成果を出すには必要だと思う行動」を各自、3~5つ選びます。
※コンピテンシー一覧には、「思いやり」「プレゼンテーション力」
「専門知識の習得」「部下・後輩の育成」など要素が書かれているものです。
0ベースで考えても問題ありません。
ただ、一覧があったほうが議論しやすいというメリットがあります。
2.グループで5つ選ぶ
各自選んだ(出した)「成果を出している人が行っている行動(=コンピテンシー)」を、
4~5人グループで共有し、その上で話し合いによって「グループで5つ」に絞ります。
3.全員で5つ選ぶ
各グループが選んだ(出した)「成果を出している人が行っている行動(=コンピテンシー)」を、
プロジェクトメンバー全員で共有し、
さらに話し合いによって「メンバー全員で選んだ5つ」に絞ります。
4.行動を書き出す
グループ全体で選んだ一つ一つの項目について、「具体的な行動」を書き出していきます。
各自、一項目5つの具体的な行動を書き出していきましょう。
ポイントは「具体的」という点と「行動」という点。
例えば「思いやり」というコンピテンシーを選んだとします。
その場合、御社の、皆さんの仕事でいう「思いやり」とは具体的にはどんな行動でしょう?
具体的に書くポイントは、「◎◎したときは△△する」という表現にし、
「いつ」「どのように」という要素を入れると具体的になります。
二つ目は「行動」という点。
例えば、「相手のことを考える」…これは「行動」ではありません。
相手のことを考えた行動とは何か、を書き出します。
自分の手が空いたらすかさず「何か仕事ありますか」と聞くことでしょうか?
それとも「相手のご家族の情報を知り、
ご家族の誕生日にはおめでとうございます、と声かけをする」ことでしょうか?
みなさんのお仕事ならではの「思いやり」があるはずですので、
それを具体的な行動として言葉にしていきます。
5.まとめる
各自が書いた「具体的行動」をコンピテンシーごとに集め、
各コンピテンシーに対してどんな具体的な行動を書いたか、まとめていきます。
似たような行動は集め、具体的になっていない行動は具体的にしていきます。
これで「オリジナルコンピテンシー(行動方針)」は完成です。
6.活用する
作った行動方針を、実際の行動につなげるために、紙に印刷したり、
小冊子にまとめたり、朝礼で「今週のコンピテンシー」を宣言したり、活用していきます。
半年に一度、コンピテンシー表彰をされている会社様もあります。
自分たちが目指すべき行動が見えるということは
「行動に迷いがなくなる」ということ
コンピテンシーを明確にする、
言い換えると「自分たちが目指すべき行動が見える」ということは、
組織にとってどのような変化を生み出すでしょうか。
「メンバー自身に対して」は、
・行動改善(変革)につながる
・行動に迷いがなくなる
という変化があります。
今までは各自バラバラのことを考えて行動していたのが、
「行うべき行動」を共有することによって、行動が変わったり、
迷いがなくなるというメリットがあります。
もう一つ、「応募者(これから仲間になるメンバー)に対して」は、
・組織で大切にする行動を共有しやすくなる
・新人を育成しやすくなる
という変化があります。
冒頭でも書いたように、意識や考え方はなかなか共有しづらいものです。
だからこそ、「私たちの組織で大切にする行動はこれです。
具体的には、◎◎のときは△△してください」と言えば、真似しやすく、共有しやすいですね。
ぜひ、みなさんの職場で「仕事ができる人になるための行動」を
明確にされてみてはいかがでしょうか。
■まとめ
今回は、あなたの職場で活躍するための要素(コンピテンシー)を
明確にするワークをご紹介しました。
コンピテンシーとは、「仕事のできる人の行動」「成果を上げている人の行動」。
メンバー同士で話し合い、共有、書き出すことによって、
各自の価値観を知ることができるとともに、全員で行うべき行動を共有することができます。
その過程は、
1.選ぶ
2.書き出す
3.まとめる
ととてもシンプルです。
何より、「自分たちで決めた行動方針」ですから、トップダウンで示された行動方針より、
「行動に繋がりやすい」という大きな特徴もあります。
ぜひ、実施されてみてはいかがでしょうか。
-------------
◆関連コラム◆
【プロジェクト型 就業規則作成】キックオフ、開始時に押さえておきたい3つのポイント
https://mbp-japan.com/osaka/kes-sr/column/5014430/
【プロジェクト型 就業規則作成】就業規則を作る目的をメンバーで共有する
https://mbp-japan.com/osaka/kes-sr/column/5016783/
【プロジェクト型 就業規則作成】アイスブレイクワーク「会社の強み・課題」
https://mbp-japan.com/osaka/kes-sr/column/5015485/
【プロジェクト型 就業規則作成】リーダーが知っておきたい個別面談のイロハ
https://mbp-japan.com/osaka/kes-sr/column/5017503/
【プロジェクト型 就業規則作成】具体的な手法公開!あなたの職場で活躍するための要素(コンピテンシー)とは
https://mbp-japan.com/osaka/kes-sr/column/5018320/
【プロジェクト型 就業規則作成】プロジェクトを一気に加速させるたった1つの秘訣
https://mbp-japan.com/osaka/kes-sr/column/5019688/
【プロジェクト型 就業規則作成】チームの価値観を明確にし、共有する
https://mbp-japan.com/osaka/kes-sr/column/5020191/
【プロジェクト型 就業規則作成】「堅苦しくない就業規則」の作り方
https://mbp-japan.com/osaka/kes-sr/column/5021047/
【プロジェクト型 就業規則作成】就業規則のタイトル付け3つのポイント
https://mbp-japan.com/osaka/kes-sr/column/5023010/