社内で実践!働き方改革の進め方(1)知る~3分で分かる「働き方改革」解説
就業規則は「社員が興味をもってはじめて」存在価値が生まれる
世間では「働き方改革」なんてことが言われていますが、働き方改革は単に労働時間短縮だけではなく、色々な意味が含まれるということは、社内で実践!働き方改革20のステップ(1)知る~3分で分かる「働き方改革」解説でも触れたとおりです。
労働時間はもちろんのこと、
休み方、定年年齢、社員の種類、職場の風土…色々な側面を持つ「働き方改革」。
実は、これらすべてが「明記してあるもの」それが就業規則です。
そう考えれば、会社で働く社員が
「就業規則に書いてある内容」に興味を持つことはとても意義のあることだと思います。
しかし、現実を見渡してみると
「書いてある内容には興味が無い」「見たこともない」ということがほとんど。
これでは、就業規則としての価値が半減してしまいます。
もちろん、
「何かあったとき(退職するとき、休むとき、出産するとき)に使う」ことは出来ますが、
それでは「何か調べたいときの辞書」と同じです。
この「何かあったときだけ出動させる就業規則」ではなく、
「自分たちの働き方に興味を持つきっかけ」として就業規則を活用してみませんか。
それが「プロジェクト型(参加型)で進める就業規則の作成」です。
【事例紹介】
1年を通して自分たちの働き方を考え、就業規則にまとめた事例
ある会社で「人事プロジェクト」を発足。
社内的には「自分たちの働き方(給与を含む)を見つめ直し、
働きがいのある職場にする」という目的。
社外的には、そんな自分たちの働き方を発信し、
「採用につなげていこう」という目的がありました。
まず、メンバーを集めてプロジェクトの目的や進め方を共有。
しかし、全く乗り気でないみなさん。
プロジェクトは毎回こんなスタートが多いです。
ただ、回を重ねていくうちに、普段は口に出せなかった想いが出てきます。
その集大成として「就業規則」という一つにまとめていき、
プロジェクトメンバーの口から就業規則の内容を全社員に向けて発表していきます。
終了後メンバーの口からはこんな言葉が発せられます。
「はじめのうちは会社に対する不満ばかりを言っていたが、
途中から“不満ではなく課題なんだ”と考えられるようになった」
「自分たちで働き方を考えていくと言われてもピンとこなかったが、
実際に自分たちで検討し、社長に相談することで少しずつ変わってきた。
自分たちが動けば変わっていくのだと実感することが出来た」
では、どんなステップで、どんなことを考えていくのか。
一つ一つの詳細な内容は各記事でご紹介しますので「就業規則がイキイキ」 から、
ご興味あるタイトルをクリックしてください。
全体の流れは、以下にご紹介します。
プロジェクトのすすめ方の鉄則:「発散→整理→収束」
「どんな風にプロジェクトを進めて行けば、そんな積極的に参加してくれるのでしょうか」
これは、良く聴かれる質問です。
確かに、「就業規則を見直そうぜ!」と呼びかけて、
喜び勇んで参加される方はほとんど皆無。
ポイントは2つあります。
1.十分、意見を発散させること
2.根気よく「待つ」こと
会議の場でも面談でも、
合意形成のステップは「発散→整理→収束」と言われていますが、
プロジェクトでは特に「発散させること」を大切にしています。
人は、まず吐き出さなければ、新しい考えや意見を取り入れることはできません。
さらに、人は「嫌われるより好かれたい」人がほとんど。
そう考えると、「本音を言ってね」といったところで言えるはずがありません。
そのため、十分に発散させます。
すると、あるときにふと「本音」がで出すときがやってきます。
(早ければ2~3回目、大よそ4~5回目あたりが多いです)
そのための「根気」が必要です。
プロジェクトで取り上げるテーマ例は次の通りです。
1.キックオフ・全体研修
2.会社の強みと課題を考える
3.就業規則とは何か
4.会社で必要とされる行動(コアコンピテンシー)は何か
5.メンバー個別面談
6.ビジョン(みなで実現したい未来)は何か
7.仕事の意味・価値は何か
8.会社にとって大切な価値観は何か
9.就業規則で「自分たちらしさ」を表現する
10.就業規則のタイトルを考える
11.完成内容をみんなで検討する
12.全社員説明会
それぞれの項目は、詳しくは別のコラムでご紹介していきます。
■まとめ
今回は、プロジェクト型(参加型)で
就業規則を作成・改定していく意味と流れについて見てきました。
1.就業規則は「社員が興味をもってはじめて」存在価値がうまれる
2.【事例紹介】1年を通して自分たちの働き方を考え、就業規則にまとめた事例
3.プロジェクトのすすめ方の鉄則:「発散→整理→収束」
たかが就業規則と感じられるかもしれませんが、前述のとおり
「自分たちの働き方を体現した唯一無二の存在である」と言っても過言ではありません。
「こうしなければならない」「こう書かねばならない」という捉われから解放され、
ぜひ一度みんなで検討してみてはいかがでしょうか。
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