バイトテロを防ぐには

鈴木圭史

鈴木圭史

「バイトテロ」とは、アルバイトが業務中に悪ふざけをし、その様子を写真や動画で撮影、SNSなどに投稿することです。バイトテロにより、企業のモラルが問われる事態となり、深刻なイメージダウンや損害をもたらすことがあります。

事例としては、ごみ箱に捨てた食材をまな板に置く動画を流したり、食品を保管する冷蔵庫に従業員が入っている写真を投稿したりといったことがありました。また、業務中に知りえた個人情報を暴露すると脅迫の内容をSNSにアップするといった事例もあります。こうしたバイトテロにより閉店に追い込まれる事態も発生しております。

企業は、バイトテロによって受けた被害をその労働者に損害賠償請求することが可能ですが、全額を請求することは難しいです。理由としては、会社の監督責任、労働者の活動から利益を得ている点、会社の損失(株価暴落や売上の減少等)とバイトテロの因果関係の立証が困難等の理由が挙げられます。

バイトテロの起きる大きな原因は、「悪ふざけ」や「注目を集めたい」といった理由と労働条件や上司に不満があるといった理由になるでしょう。
「悪ふざけ」の場合は、特に重要となってくるのは「教育」です。悪ふざけでのバイトテロは、会社を貶めようとして行っているのではなく、事の重大さを理解していないが為に起きていると言えるでしょう。企業の受けるダメージ、自らの行為が違法であることを説明しましょう。
また、労働条件等不満がある場合でも、自分自身が刑事、民事での法的措置を受けること、将来を棒に振ってしまうといった事態になりかねないということ等の説明により、違う形(直接本部に申立てや退職等)で不満をアピールすることになるのではないでしょうか。

一度SNS上に載ってしまうと、あっという間に拡散され取り返しがつかなくなります。業務中のスマートフォンの使用を禁止するといった方法もありますが、禁止していてもルールを破り使用、バイトテロに至ったケースもあります。アルバイトであっても、会社の業務を担っているいう責任があること、自らの行為で思ってもみない事態を招く可能性があることを理解してもらいましょう。

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鈴木圭史
専門家

鈴木圭史(特定社会保険労務士)

ドラフト労務管理事務所

社労士として20年以上の経験を誇り、労務相談から発展した、労務リスクの回避につながる労務監査を推進。IPOやM&A支援でも実績があります。「船員の働き方改革」に対応する海事代理士業も。

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