勤務間インターバル制度について②

鈴木圭史

鈴木圭史

テーマ:よもやま話

●『トラブル発生など緊急時は?』
 トラブル発生時など、緊急時はどうするかについても検討しておきましょう。緊急時でも休息時間を与えるのか、それとも例外扱いとするのかです。
 しかし、そもそもトラブル対応や急な納期に間に合わないなど、やむを得ない事情があって深夜遅くまで残業することになっているのに、やむを得ない場合は休息時間を与えなくてもよいと安易に例外を認めてしまっては制度の意味がなくなります。
 例外を認める場合は、どのようなケースを例外として扱うか、あらかじめ労使で決めておくべきでしょう。
●『休息時間が翌日の勤務時間に及ぶ取り扱いは?』
 例えば、本来は9時詩行のところ、インターバル規制により11時始業となった場合、遅らせた2時間分の取り扱いはどうすればよいでしょうか?
 企業によってさまざまですが、基本的には終業時刻を2時間遅らせるのではなく、労働を免除することになります。
 現在のところ勤務間インターバルは法律で義務付けられたものではないので、免除した2時間分の賃金は無給とする方法もあります。しかし、制度の趣旨から考えると、賃金は有給とするのがよいと考えます。
●『企業の導入効果』
 IT関連企業など長時間労働になりがちな職場を中心に、すでに勤務間インターバル制度を導入している企業もあります。 導入した企業では、次のような効果が報告されています。
導入効果①
【労働時間や作業時間に対する組織全体の認識が高まり、仕事に対するメリハリが出て、オンとオフの意識が高まり、ダラダラと残業しなくなった。】
導入効果②
【プロジェクトの中心的人材に仕事が集中し、一人で背負い長時間労働になってしまう傾向があるが、必ずインターバル休息時間をとらなければならない制度ができたことで、一人に仕事を任せきってしまう仕事のやり方を改めるきっかけになっている。】

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鈴木圭史
専門家

鈴木圭史(特定社会保険労務士)

ドラフト労務管理事務所

社労士として20年以上の経験を誇り、労務相談から発展した、労務リスクの回避につながる労務監査を推進。IPOやM&A支援でも実績があります。「船員の働き方改革」に対応する海事代理士業も。

鈴木圭史プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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