自力救済の禁止。
意思能力・判断能力
●成年後見制度を利用した契約が年々増えています。
ただし、意思能力・判断能力に問題のある人が、必ずしもすべて成年後見制度を利用しているとは限りません。
デリケートな問題となりますが、次のような注意が必要となります
成年後見制度を利用していなければ、契約後、売主や買主に意思能力がないと判断されると、その人が行った意思表示は無効となり契約の効力は生じません。
代金の支払いも、登記や引渡しが完了した後でも、契約が無効であったことが判明すれば、元の状態に戻さなければいけません。
つまり、買主は移転を受けた不動産等を返還し、また所有権移転登記を抹消しなければならなくなります。もちろん支払った代金も返還してもらいますが、既に消費されている場合などは、現実的には回収は困難かと思います。
従って、契約当事者の意思能力に何か問題を感じ、疑われる場合には医師の診断を受けてもらうなど、意思能力があることを確認する必要があります。
もし、意思能力がないと判断された場合には、時間は掛かりますが成年後見の手続きをとり、成年後見人を選出し、その人を代理人として取引を行わなければいけません。
●この確認を怠り、媒介した宅地建物取引業者が損害の賠償義務を負わされた事例もあるので注意が必要となります。
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