コラム
売買契約の危険負担とは。(個人間取引の注意点)
2017年4月11日 公開 / 2021年3月2日更新
債務者主義と債権者主義。
①債務者主義とは (相手方の債務も消滅させる方法)
・売買契約の後、地震で建物が倒壊した場合、債務者主義によれば売主の
引渡債務が不能となったことにより相手方の(買主)の代金支払義務も消滅
します。
②債権者主義とは (相手方の債務は消滅させない方法)
・上記の例ですと、債権者主義によれば、買主の支払義務は消滅しません。
買主は建物が壊れてしまっても代金を支払わなければなりません。
●意外ですが、民法では売買については原則として、②の債権者主義をとっ
ています。
しかし、債権者主義の場合、売買契約後、地震で建物が倒壊してなくなって
しまった場合でも、買主は代金を払わなければならず、通常の買主の予想
に反する結果ではないでしょうか。
むしろ、不動産取引においては引渡し前に売買物件が滅失した場合には、
買主の代金支払義務はなくなるという扱い①の債務者主義の方が一般的
だと思います。
そこで、標準契約書では「危険負担」の条項に、「①の債権者主義」を明記して
います。
この条項のある契約においては、地震が原因で建物が滅失した場合は、買主
は契約を解除することができ、売主は、手付などの受領済みの金員を全額返
還しなければなりません。
●個人間取引において、危険負担の条項がなき場合、地震等で建物が滅失
した場合の扱いは、民法の定める②の債権者主義の扱いになる可能性がある
ので注意が必要です。
○随時、不動産相談の受付をしています。 メールでの受付は
○料金表
○セミナー
関連するコラム
- 正しい事が良い結果とは限らない。 2015-07-06
- 既存の不適格建築物の媒介。この場合の重要事項の説明は? 2015-12-09
- 嫌悪施設。 2015-08-06
- 不動産の調査は、「道路に始まり、道路で終わる!」 2015-12-04
- 売買契約の解約!仲介手数料は請求されるのか、されないのか? 2016-04-22
カテゴリから記事を探す
宮本裕文プロへの
お問い合わせ
マイベストプロを見た
と言うとスムーズです
○ご予約のない不動産の相談はお受けしていません
○メールでの不動産の相談はお受けしていません
○コラム内容のご質問はご遠慮ください
○こちらからの架電はしていません
勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。
宮本裕文のソーシャルメディア