売買契約(手付解除の期限 2つの解釈が考えられる契約条項)

宮本裕文

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テーマ:コンサルティング

手付解除の期限。


第○○条(手付解除時期)
●手付解除条項が、「相手方が契約の履行に着手するまで、または、平成28年
10月31日までは手付解除できる。」

(事例)
①買主Aは、宅建業者である売主Bから、代金¥1,500万円で分譲地を購入しま
した。(契約日 平成28年10月1日)

②本件売買契約書の手付解除条項には上記条項が定められていました。

③宅建業者である売主Bは、売買契約締結日の2日後に履行の着手をしました。

④買主Aは、平成28年10月14日に、本件売買契約を手付解除しました。

⑤宅建業者である売主Bは、既に自分は履行しているので、買主Aの手付解除は
認められないと主張し違約金等を請求しました。

このケースの場合、「相手方の履行の着手まで」、または「平成28年10月31日まで」
の、どちらを優先させるかが問題となります。

本事例では、売主が宅建業者であることが大きく影響して裁判では宅建業者である
売主Bの請求を棄却したとのことです。

●一般的な売買契約書の手付解除時期の条項は、

「手付解除は、下記の事項のいずれかが早く到来したとき以降はできないものとする。」
①相手方がこの契約の履行に着手したとき
②平成○○年○○月○○日を経過したとき

となっています。

しかし、何をもって履行に着手したかは曖昧であり、当事者間でもわかりづらいので
私は指定解除期日を優先させるべきかと思っています。


アスベストの使用調査 その有無について。

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宮本裕文
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宮本裕文(宅地建物取引業者)

有限会社富商不動産販売

住宅確保要配慮者のための賃貸住宅専門店です。障がいのある方、高齢者の方へ積極的に賃貸住宅の仲介をしています。

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