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笠中晴司

交通事故のトラブルを解決に導く法律のプロ

笠中晴司(かさなかせいじ) / 弁護士

丹波橋法律事務所

コラム

雨の日はご注意ください

2013年6月20日 公開 / 2017年3月3日更新

テーマ:時事ネタ「交通事故」

コラムカテゴリ:法律関連

空梅雨と騒いでいたら,突然の大雨。

恵みの雨というべきなのでしょうが,雨の日の運転に注意すべきなのは,常識です。

理由は,
1 視界が悪い
2 音も聞きづらい
3 ブレーキがききづらく,止まりにくい。

1と2は,客観的データを示すことは難しいのですが,3は客観的データがあります。

ブレーキが利くということは,タイヤと路面の摩擦が発生し,その摩擦の力で運動エネルギーが失われていくということです。

そして,路面の摩擦には,路面の状態(アスファルトか土か等)もそうですが,同じアスファルトでも,雨で濡れているかどうかが大きく影響します。

その摩擦の大きさを示すのが,摩擦係数と言われるものです。

摩擦係数は,雨等で濡れている場合と乾燥している場合では,大きく異なります。

摩擦係数を言っても仕方がないので,きちんとブレーキが利いている状態で,ブレーキが利いてから停止するまでの距離(実制動距離と言います。)を比較すると次のとおりとなります。

時速20キロの場合  乾燥した路面  2.21m  濡れた路面  3.86m
時速40キロの場合  乾燥した路面  8.82m  濡れた路面 15.43m
時速60キロの場合  乾燥した路面 19.85m  濡れた路面 34.74m
時速80キロの場合  乾燥した路面 35.27m  濡れた路面 61.72m
(以上 科学警察研究所機械研究室調べ)

つまり,2倍までは行かなくても,2倍近くも停止までの距離が異なることになります。

交通事故が発生するかどうかは,ほんの数十センチ,または,ほんの0.何秒の差ですので,この路面状況による停止までの距離の差が,交通事故が発生するかどうかに影響する大きさはご理解いただけると思います。

雨の日は,くれぐれもご注意ください。



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