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子供への愛”が“依存”に変わるとき──あなたの家庭は大丈夫?

泉野晶代

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テーマ:家族の問題

少し前の話になりますが、
カンヌ国際映画祭で最高賞を受賞した
『パラサイト 半地下の家族』という映画がありましたね

ご覧になった方も多いのではないでしょうか。

この作品は、
ある貧しい家族が裕福な家庭に“寄生”していく物語です。

「パラサイト」とは、辞書で調べると
寄生生物、居候、厄介者…と、あまり良い意味ではありません。

日本でも「パラサイト・シングル」という言葉が
話題になりましたね。

これは、経済的には自立できる状態なのに、
親と同居し依存している状態を指します。

生活費の多くを親が負担
家事は親任せ
自分の趣味にはお金を使える
働いていても、していなくても関係ない

こうした状態は、
親子にとって“居心地の良さ”を感じることもある一方で、

家族間の境界線が曖昧になり
未来問題になるケースも少なくありません。

家族が仲良く一緒に暮らすのは
一見良いことのように見えますが、
心理的な境界があいまいなまま成長すると──

:自分の意思が分からなくなる
:大きな決断ができない
:人間関係に悩みやすい
:恋愛や自立がうまくいかない
:結果孤独になる
などの影響が出てきます。

「本当はどうしたいのか分からない」
「親の期待に応えなきゃと無意識に思ってしまう」

それは、**親との心理的な“同一化”**が強く、
自分の“パーソナルフィールド”を持ってないためです。

実際に、大人になっても
その日着る「服」や「くつ」を
親に決めてもらっている方もいます。

他の弊害として
:傷つきやすい
:他人の感情に過敏
:決められない
:境界線が引けない
:自分軸で動けない
:親と行動する機会が多い、もあります。

親もまた、子供が離れることに対して 
不安や恐れを感じていることがあります。

作家の林真理子さんが、
「若いころは娘に幸せになってほしいと願っていたのに、今は手放すのが寂しい」
と語っていた記事を見かけたことがありますが、
まさに共依存の状態です。

子どもが少しでも距離を取ろうとすると、
「私、どうやって病院に行けばいいの?」
「あなたのせいで、私は一人ぼっちじゃない…」
そんな言葉で罪悪感を与えてしまう親もいます。

これはどちらが悪いという問題ではありません。

大切なのは、
お互いにとって健やかな
距離感=“健全な境界線”を育てていくことです。

いきなり距離を取る必要はありません。
まずは、小さな一歩から。

自分の気持ちを確かめること、
自分の時間を持つことから始めてみましょう。

そして、もしそれが難しいと感じるなら、
第三者に相談することも選択肢の一つです。

家族との関係でモヤモヤしている方にとって、
この文章がひとつのヒントになれば幸いです。

※ひきこもりの方への講座を行っています。
お気軽にお問合せください。

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泉野晶代
専門家

泉野晶代(メンタルコーチ)

office is. (オフィス イズ)

日常で役立つNLP心理学であらゆる種類の「生きづらさ」の解消を目指す。特に人との境界線を明白に示すことで、他人への割り切りと受容ができるよう促し、自分も他人も大切にする生き方を提案する。

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