経済のグローバル化で追いやられた人々の怒り
NHKを始めとして、こんなニュースが流れました。
文部科学省が放射性物質の拡散を予測する「SPEEDI」を使った事故直後の予測データを外務省を通じて直ちにアメリカ軍に提供していたのだそうです。
原発事故の発生から2か月近く国内には公表しなかった「SPEEDI」のデータは、アメリカ軍には直ちに提供されていたようです。
放射性物質拡散の予測データを基に実態調査を徹底し、あらゆる可能性を考えた上での対策を講じていれば、その後の放射性物質拡散による見えない恐怖や不安、不信を抑えることができたはずなのに・・・。
科学的、客観的な基準がないままに根拠のない安心感だけで混乱を回避しようとした原発事故直後の政府の対応こそ、根拠のない安全神話を作り上げてきた原発政策の根と同じだったと言わざるを得ません。
いったい私達は何を根拠に自分達の生活を維持していったら良いのでしょう?
原発事故後に避難したものの、後から振り返ってみたら避難先が放射線量の高い北西方向だったという人達にとって、「SPEEDI」の予測データが直ちに公表されていれば、もっと適切に避難が出来たという後悔が残るのは当然の事です。
政治や経済や社会全体を覆う不信感を払拭し、根拠のある希望に満ちた未来へ進むには何が必要なのでしょうか?
それは客観的な事実を包み隠さず開示して、私たち自身に判断を促すという信頼関係だと思います。
私達が今どこに居るのかをはっきりと認識する必要があるのです。
曖昧な耳ざわりの良い安心感だけが振りまかれ、何の根拠も無いままに日々を追われて過ごすのは真っ平ごめんです。
いったい、この国のシステムは誰のためにあるのでしょうか?
「足と靴の相談室」ロビンフット長津田 http://www.robinfoot.co.jp/