戦争と平和
イタリアでの国民投票は、投票率約57%で投票の有効が成立し、原発再開反対が90%を超すのではないかという見通しが報じられています。
また、ドイツ政府の原発推進政策の方向転換が決定するなど、福島第一原発の事故が、じわりじわりと世界の原発推進の流れを変え始めています。
一方で、日本においては「経済産業省所管」の日本エネルギー経済研究所の試算で、すべての原発が停止して火力発電で電力需要を代替する場合、(今まで通りの電力使用量ならば)1カ月あたりの標準家庭の電気料金が、2012年度は10年度実績に比べ1049円増加すると報じられています。
「ああ、こんな程度のコストアップなんだ。」というのが私の正直な感想です。
1年で1万2千円程度のコストアップなら、家庭内での節電対策でやり繰りできる範囲なのでは?と思うからです。
LED電球や蛍光灯型LED管に補助金制度を導入して家庭や企業や商業施設、公共施設への普及を促したり、最近話題になっている待機電源をゼロにする回路の普及を促進したり、地熱発電を促すための規制緩和策や自然エネルギーへの転換を促す施策などを総動員すれば、新しい産業分野の確立や雇用の受け皿にもなり、極端に火力発電に頼らないエネルギー政策に転換できるのでは?と思うのです・・・。
右肩上がりの消費のための消費を鼓舞するような経済構造から、生活の質を上げながら無駄な消費を抑制するような実質消費型の経済構造への転換が望まれているのではないでしょうか?。
経済効率を考える時も、短期的な指標(現実的、効率的?)よりも長期的な指標(理想的、実質的?)に立ち、資本力のない企業が過度な競争の中で短期的効率に引き摺り込まれないような「融資制度」があってもいいのではないかと思います。
増産することでコストが下がり、価格が下がることで需要が増え、さらに需要を増やすために生産効率を上げて価格を抑える。
市場が飽和すると見れば、新たな商品を打ち出して市場を刺激し、心理的な需要をも創造し続けなければならない経済構造。
激しい市場争奪戦の中ですぐに結果を出さなくてはいけないという企業心理が、短期的な「経済効率」に向かわせ、人までも消費するような「人間社会」になっていないでしょうか?。
「人間社会」を不幸に向かわせないための智恵と創造的な実行力と社会人としての自己管理能力が求められているのではないでしょうか?。
「足と靴の相談室」ロビンフット長津田 http://www.robinfoot.co.jp/