「組木の遊び」と日本の伝統行事と藤沢宿
山口県山口市にある「山口デイサービスセンター」の創設者である藤原さんは、少し段差をきつくした階段やゆるやかな勾配のある廊下に手すりのかわりに箪笥を置いて「バリアアリー」の介護施設を開設しました。
エレベーターを設置したり、手すりを付けたり、段差の無い通路を造ったりと、高齢者や障害を持つ方に負担を掛けないよう「バリアフリー」にすることが常識だと考えている人にとって、ここはとんでもない施設に思えることでしょう。
ところが、現実には、この「バリアアリー」の施設で過ごすと、体の機能が回復したり、障害が改善したりする人が9割にも及ぶという、とんでもなく驚異的な実績を誇っているのです。
安全で快適というパッと見が良いけれども過保護で管理されがちな環境にすることなく、利用者にやる気を起こさせ、自ら楽しみながらリハビリになってしまうような、自主的で生き甲斐のある生活環境を作り上げたのです。
食事の時も、普通に見かけるように職員が配膳をする方式ではなく、バイキング形式で各自がおかず選んだり、自らご飯をつけたり、お味噌汁をつけたり、麻痺がある人も工夫して自分で配膳するのです。
さらに、使った食器を自分で洗ったりと、自ら身の回りのことが出来た人には、こなした内容ごとに『ユーメ』という施設内で使える通貨が発行され、それを元手にお茶したり、ギャンブルをすることだって出来るというのです。
ここには、人間の本質を生かした施策がてんこ盛りです。
個人の力ややる気を引き出す工夫が溢れています。生きがいや人との付き合いを楽しむ娯楽も用意されているのです。
足が痛いなら、膝が痛いなら、無理に歩かない方が良いという対応ではなく、足が痛い、膝が痛い原因である筋力の低下を生じさせた運動不足や生活習慣、足の機能を低下させてしまうような履物を見直し、楽しんで快適に歩ける環境を整えて個人のやる気を育て、個人が持つ能力を自然に発揮できるようにすればよいのです。
気の合う仲間と散策したり、食べに行ったり、買い物に出かけたり、遊びに行ったりしているうちに、体の機能が回復し、障害が改善することが確かにあるのです。
「足と靴の相談室」ロビンフット長津田 http://www.robinfoot.co.jp/