話してみよう そこに墓はあるのか?
故人は仏式の葬式はしないでと、その遺志のままに
たまにですがこの事例があります。
むしろ最近増えてきたようにも
これは「終活」の個を打ち出した特徴の一つかもしれません。
それはさておき、家族はできれば故人の最後のお願いは聞き届けたいというのが本音ですが、もしもお墓がお寺さんにあって、檀家となっていたらというお話です。
納骨の依頼の電話がかかってきた
「この日に納骨をしたいと思うから石屋さんは来れるかな?」
ありがちな問いかけではあるのですが、一応本堂での法事の始まる時間を確認するとお寺さんには依頼していないと。。。
「順序が逆なのでお寺さんでまず法事の予約をしていただければ」と問いかけると
「お寺さんを通さないで納骨だけしたい」という希望。
「できるよね?」
この場合ははっきり申し上げてできません。また協力もできません。
お伝えできることは
「檀家であるなら檀家の勤めがあります。少なからずそのお寺さんのご住職にお葬式のお経をあげていただき、戒名(法名)を授からないと難しいです。」
「もしも故人の遺志でそうしたのであればその状況を伝え、ご理解いただいた上で進めなければ納骨の希望はかないません。墓地管理者の承諾なくしては、いくらご自身の墓石でも勝手に入れるわけにはいかないんですよ」
ということ。
この事例の救いは別のお寺さんでお葬式をして戒名までもらっていなかったこと。
こうなると、遺志は尊重しても残された家族も結構つらい思いをすることもあります。
そのお墓に納骨したければ、もう一度お葬式からやり直しで戒名料も二重にかかるのがほとんどの場合です。
寺院墓地は民間霊園とは違う
民間霊園の普及とともにお坊さんを飛ばしてという考えの方は増えています。
しかし墓地管理の面で見ればいずれも墓地管理者の承諾なくして納骨はできません。
寺院墓地は性格上「檀家」というもう一つの約束があることを忘れないでください。
そして家族に戒名はいらない、お坊さんは無しでと伝えるのでしたら、あなたはあなただけの墓地をご自身で用意するくらいの気持ちでお考え下さい。
実際、いままでお寺に関わってこなかった次世代が継承するにあたりかなりの混乱が起きます。
迷惑をかけたくないという気持ちがあるのなら、徹底してとことんやるべきです。
それでも迷惑は掛かるのが当たり前です。