勉強したら勝手に応用。未来のシナリオ
2月11日12日 静岡県で開催されている技能オリンピックの見学に行きました。
もちろん石工の競技があったからです。
今回は中硬石といわれる硬石よりやや柔らかい石ということ
硬石はいわゆる御影石と呼ばれる石だと思ってください。
昨年までは愛知県産の石が使われていたということですが、同じ技能士の試験であっても違う硬さ
いわゆる中硬石 分類上安山岩といわれるちょっと見かけに比べればかなり柔らかい石
福島県須賀川でとれる江持石という石が試験には使われました。
御影を作っている職人さんにとってはまるで別次元の石ということになります。
なので今回の出場者は比較的この中硬石を扱うエリアの方に偏りました。
特に産出地の福島県の技能士、そして馴染みのある埼玉、東京の技能士の方が多く参加していました。
残念ながら神奈川はゼロでした。
御影にしても中硬石にしても手加工、つまり電動工具を使わずに作り上げていきます。
石屋さんに行けば製品が並んでいるし、加工をするところなど見たこともないのが一般の方の当たり前ですから
このような作業を見ていただける機会は素晴らしいものです。
でもちょっと待って
見ていただけるだけでは解決できないことが現在あります。
それはこの技術や技能を良いものとして価値に対しての価格がおかしな方向に行っているような。
例えば美術品。絵画など良いものをいっぱい見ていると審美眼が育っていくように、良いものに触れる機会が価値を感じるようになります。
素晴らしいものに触れるコトでその価値がわかるようになる
芸術家ってそんな感じなのに。
技術って本当にすごい技術であっても、その存在がなかなか普通のかたの目に触れていないというか知らされていない。
技能士はある意味芸術家であると思います。
うまく表現できませんが、伝統工芸の一つの技であれば一般の人が見ても何が素晴らしいのかがしっかりわかり、それがどこにあり触れるコトで審美眼が育ちこの人の作品がほしいという仕組みを必要だなとそんなことまで感じました。
誰のもの?というタイトルを付けましたが
もちろん作者のものではありますが、それに価値を感じお金をしっかりと出す人のもの
そしてその人の技に追いつき追い越そうとする次世代の職人のためのものでもあったりします。
石の、そしてそれに手を加え素晴らしいものにする技能を持つ人にもっともっと注目してそこを目指す人にもより明るい未来があるようにしていかねばですね。
私たちの発信もまだまだ足らないのかもしれません。