心筋梗塞とマグネシウム
マグネシウムが不足すると
テタニー(両手指のこわばり、顔の引きつりなど)、痙攣(けいれん)、全身倦怠感、食欲不振、せん妄、昏睡、不随意運動や呼吸不全などを呈します。また心電図では QRS開大、QT 延長、T波異常が生じて重症では心室性不整脈や Torsade de pointeが生じます。これらは致命的になることもある不整脈です。
どんなときに不足するのか
アルコール依存症では20〜25%が低マグネシウム血症となります。お酒をよくのむ方は要注意です。また薬剤による低マグネシウム血症があり、とくにプロトンポンプ阻害薬(胃薬)が多く、増加傾向です。プロトンポンプ阻害薬については、米国食品医薬品局(FDA)が「1年以上の長期使用は低マグネシウム血症リスクがある」と注意喚起しています。利尿薬との併用時にも注意を要しますので、定期的にマグネシウムの測定をしましょう。
きちんとした食事が低マグネシウム血症を防ぐ第一歩です。またアルコールや胃薬(プロトンポンプ阻害薬)の長期投与、利尿薬の使用時にはとくに注意しましょう。
【電解質異常をきたす内分泌疾患】マグネシウム異常と内分泌疾患
臨床検査 (0485-1420)65巻8号 Page830-835(2021.08)