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心臓病とマグネシウム

上村徳郎

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テーマ:マグネシウム

マグネシウム不足と病気

日本人の大学教授が日本の河川を調査したところ、アルカリ性の水(マグネシウムの多い硬水)を日常的に飲んでいる地域では、脳卒中の死亡率が低いことを1957年に世界で初めて報告しました。
この報告が発端となり、海外で次々に追跡調査が行われた結果、水の硬度と循環器疾患(急性心筋梗塞)の死亡率との関係が報告されました。マグネシウムが多い水が循環器疾患の有病率の低下と関連することが明らかとなったのです。

また、食事によるカルシウムとマグネシウムの摂取比率の上昇(マグネシウムが少ない)が、虚血性心疾患による死亡率を上昇させることも明らかになり、最近ではマグネシウムの摂取量が多いと冠状動脈や腹部大動脈の石灰化リスク(動脈硬化)が低下することも示されています。マグネシウムは血管の石灰化を防ぐのです。

以上より、食事からとるカルシウムとマグネシウムの摂取比率は、従来から望ましいとされて来た2:1の比率でなく1.5~1:1程度が望ましいと考えられます。

マグネシウムは心臓病にも有効のようです。日常的に摂取をこころがけましょう。ただし、腎機能が低下している方は高マグネシウム血症になる可能性がありますので主治医に御相談ください。

生活習慣病発症要因としてのマグネシウムの重要性
日本未病システム学会雑誌 (1347-5541)25巻2号 Page22-30(2019.08)

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上村徳郎
専門家

上村徳郎(内科・腎臓内科医)

医療法人愛徳会 上村内科クリニック

内科・腎臓内科の治療を専門にさまざまな病気の要因となる生活習慣病の予防にも力を入れています。生活習慣病に関わる食生活や栄養の見直しを予防の基本とし、食事法などをアドバイス。テレビ番組などの医療監修も。

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