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佐藤宣幸

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佐藤宣幸(さとうのぶゆき) / 薬剤師

有限会社 すみれ漢方施薬院薬局

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コラム

慢性的な顔の赤み酒さ様皮膚炎には漢方薬で対応

2015年11月14日 公開 / 2018年2月10日更新

テーマ:心の漢方薬

コラムカテゴリ:医療・病院

コラムキーワード: 漢方薬 効果

「酒さ」と「酒さ様皮膚炎」の違いと症状


皮膚炎 赤ら顔 ニキビ 酒さ

日本人にはあまり馴染みの無い病名ですが、「酒さ」とは原因不明のアトピー性皮膚炎です。「酒さ様皮膚炎」とは、酒さの症状に似てはいますが、はっきりとした原因があります。

「酒さ様皮膚炎」は、もともと色白で顔面のほてりや発赤(赤ら顔とも言われる)を繰り返しやすい体質の人が、ステロイド軟膏(副腎皮質ホルモン剤)を長期間連用することで起こる、慢性炎症性疾患の皮膚炎です。

症状としては、鼻を中心に頬やおでこ、口の周りなどの発赤から始まり、次第に毛細血管が拡張することで血管が浮き出てきたり、かゆみは弱いものの強いほてりや灼熱感、もしくは熱感を伴うといった症状が現れます。

ひどくなると、うみが出てきたり、皮膚が腫れて熱がこもった症状まで現れることがあります。


酒さ様皮膚炎に効果的な漢方治療とは?


漢方医学では、酒さ様皮膚炎の症状レベルを3段階に分けて判断し、症状に応じて細かく生薬を選ぶことで、その人に合う治療法を提案していきます。

主に使用される漢方薬は次のようなものがあります。
・黄連解毒湯(主に神経症に応用する事が多い漢方薬)
・清営顆粒(血熱を改善するのに用いられる漢方薬)
・桂枝茯苓丸(ホルモンバランスを整えたり、血流改善に使用される漢方薬)
・荊芥連翹湯(鼻や皮膚などの反復性、慢性の炎症によく用いられる漢方薬)
・加味逍遥散(ストレスの改善を助ける時に多く用いられる漢方薬)
・漢方の治療目的は、顔の熱や炎症を取り除く事で、病気の原因を発散させる事です。長年、ステロイド軟膏(副腎皮質ホルモン剤)を使用し続けたことが原因の皮膚炎ですので、体全体の熱バランスが取りづらくなっています。その、バランスの改善の手助けになるのが漢方治療だと考えられています。


ホルモンバランスとスキンケア


酒さ様皮膚炎の治療は、今まで使用してきたステロイド軟膏(副腎皮質ホルモン剤)を中止することから始めます。但し、ステロイド軟膏には強さに5段階あり、種類によって急な使用中止には注意が必要です。

中止すると、一時的ではありますが今までよりも皮膚症状が悪化することがあります。それは、外部より補っていたステロイド(ホルモン)がなくなったことで、体が自力でホルモン分泌を行おうと反応している証拠と考えられています。

そこに漢方薬を補うことにより、皮膚本来の力を呼び戻す手助けをしてくれます。個人差はありますが、治療の目安はおおよそ3カ月程度と言われています。

また、スキンケアを行う際のアドバイスとして、1日2回程度を目安に肌を清潔に保ち、洗顔の際には指先を使い肌への刺激を少なくすると良いでしょう。顔のほてりや炎症がある場合には、ぬるま湯洗顔もおすすめです。
当薬局には生薬成分配合のスキンケア剤がありますので御相談下さい。

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