日本国内でも、今なお「油田」は存在する
当地石川県では、ズワイガニのメスを「香箱蟹」と呼ばれているが、その名前の由来には
諸説色々とあるが、その中の一つに文豪・室生犀星が関わっているものがある。
五木寛之さんの著書「風に吹かれて」の中で、以下のように書かれている。
地元の詩人だった村井さんという友人かと、当時金沢に住んでいた犀星の家に呼ばれて
行った時の話である。
犀星は目の前にコウバコガニを据え引きならべて首をひねって曰く、
「コウバコガニとは、どう書くのかね」 村井青年「さあ」
「定まった漢字がないのなら、ひとつ我々で字を考えようじゃないか」というわけで頭を
ひねった・・・(途中略)
村井青年が「日本海の香を潜めたカニということで、香箱蟹というのはどうでしょう」・・
この村井青年こそ、室生犀星に師事する詩人の村井武生(白山市美川町生まれ)である。
ちょっとした、文学的歴史観を感じる地元石川の都市伝説であろう。