資生堂のディスプレーが訴えるものは ?
今年、レオナルド・ダ・ヴィンチが67歳で没してちょうど500年となる。
いま世界各地で、その記念展覧会やイベントが開かれ
特集した番組、書籍等も数多く出されている。
このコラムでも、何回に分けて、その「謎多きレオナルド・ダ・ヴィンチ」に迫ってみたい。
500年前の日本は?というと、室町時代が終焉を向かえ下克上から戦国時代に
移り変わろうとしている時代であった。
そのような時代に、ヨーロッパではルネッサンス花盛りで、その中心的人物が
ダ・ヴィンチであつた。
ダ・ヴィンチは非嫡子として生まれ育ち、十分な教育を受けることはできなかった。
それは、彼にとって大きなハイディでもあったが
しかし、学習意欲と好奇心旺盛なダ・ヴィンチは独学で知識の習得に、人一倍の心血を注ぎ努力した。
彼が残したメモ(手稿)には、50歳前後の時には、116冊の蔵書を所有していたと書かれている。
この時代は、印刷技術が未熟でほとんどが写本で、今の価値に換算すると
1冊は100万円前後ともいわれている。1億1,600万円の蔵書ということになる。
現存するダ・ヴィンチが残した手稿
その蔵書の中には、当時の誰もが習得していたラテン語の初期文法書や
子供が習うソロバンの教科書なども含まれていた。
大人になっても、ダ・ヴィンチは、自身に欠けている能力を補う姿勢を
常に怠らなかったのである。
還暦になっても、その姿勢は衰えていなかったそうだ。
その逸話として・・
20代で大学教授となった若き解剖学者に、60歳になった彼は弟子入りを願い出ているくらいだ。
そんな謙虚な姿勢と、学習意欲、好奇心が、「無学の男を天才」に変えたのかもしれない。