V6・三宅 健
先日、金沢市主催の原田マハさんの講演を拝聴してきた。
原田マハさんは、名だたる美術館のキュレーターを務めた後、作家に転身し
「本屋さん大賞」「山本周五郎賞「新田次郎文学賞」等々数多くの賞を受賞し
毎年直木賞の候補に挙がっている。
その原田マハさんの著書「フーテンのマハ」の中で、金沢が登場する場面がある。
↓
取材で訪れた金沢の割烹「〇〇」で「十年に一度巡り合えるかどうかの一品」に
巡り合ってしました。
板前さんの背後に、地味~ に貼り出してある品書きがすぐ目にとまった。
「蟹炒飯あります」。 無類のイタ飯(炒めたご飯)好きの私は即座に注文。
これが狂おしいほどの絶品だった。
(中略)
あまりのうまさに感極まって、すぐに某航空会社の機内誌に「金沢にこんな
ウマいものが・・」と店名を伏せて寄稿したところ、編集部に一本の問い合わせの
電話が入った。
かけてきたのは嘘か真か金沢市長。
「あの蟹炒飯が食べられるのは、なんという店ですか? 接待に使いたいから
教えてください」と。
以来、金沢市長に接待される日を待ちわびているが、未だ連絡はない。
茶目っ気たっぷりの、原田さんの人柄が出ている文章である。
ちなみに、このエピソードは講演が始まる前に〇〇市教育長が披露したものであるが
「原田ハマ」と紹介してしまい、ご本人は笑いながら教育長に誤りを指摘していた。
金沢市長さん、教育長さん、お詫びに来年の泉鏡花文学賞を原田マハさんに
さし上げてはいかがでしょうか ? 副賞には当然「蟹」が必須ですね。