都心の中で、能登に出会う
誰もが知っている上野にある西郷隆盛の銅像。
意外にも知られていないが、その後ろに清水寺があることは知られていない。
正しくは寛永寺清水観音堂。
徳川家康の知恵袋といわれた天海大僧正が江戸初期にあたる1631年に建立したものである。
東京のど真ん中と言える上野にも、「清水」がひっそりと存在しているのである。
天海大僧正は1625年に、二代将軍徳川秀忠から上野の山を寄進され、京都と比叡山の
関係にならって、京都清水寺を見立ててこの寺を建て、幕末や東京空襲の戦火にも耐えて
400年近く経った今日に至っている。
西郷さんの銅像よりも、はるかに古いものである。
1996年には国指定重要文化財に指定され、上野の山に現存する最古の建造物でもある。
新たに発見した、都市伝説の一つかもしれない。