名誉挽回・経済効果6億円
金沢市郊外の薬師町にある本興寺、別名「アジサイ寺」として名が知られている。
毎年この時期になると、3,000株以上のアジサイの花が咲き誇る。
実はこの本興寺、もともとアジサイは1本もなかった。
住職が、墓に眠る人に花を見せてあげたいという思いから、このお寺の近くに
住む檀家の木下昭二さんに相談を持ち掛けたところから物語は始まった。
木下さんは一カ月ほど咲き続ける「アジサイ」を勧め、自ら植樹をかってでた。
それからは、植樹、剪定、雑草取り・・苦労の連続であったそうだ。
美しいアジサイの景観ができるまでに、20年以上の苦労を要した。
そして・・・
その苦労のかいがあって、評判を呼び県内外から観光客も訪れるようにもなった。
しかし残念ながら、木下昭二さんは昨年2月にこの世を去ってしまった。
数日前に筆者もこのお寺を訪ねてみたが、美しいアジサイの花を見に
途切れることのない訪問者であった。
木下さんの「きれいにアジサイの花を咲かせる」という信念も
一緒に伝わって来るような美しい景観であった。