『みどりのゆび』
白露の節気となり、きょうは
七十二候では44候「白露 次候 鶺鴒鳴(せきれいなく)」です。
鶺鴒は、イザナギ(伊耶那岐命)とイザナミ(伊耶那美命)に
男女のまじわりを教えたことから、 恋教え鳥と言われるそうです。
このところ、美しい声で鳴き交わしていた鳥は
セキレイだったのかもしれない…と思うのでした。
仲睦まじい男女の姿は、一番基本の幸福の姿です。
『古事記』には国産みの際、女神であるイザナミから先に
男神のイザナギに声をかけたため、
「わが生める子良くあらず」と言われるヒルコがうまれたとあります。
このことから、女性からの求愛や
男性より先に物言うことを控えるような風潮がありました。
しかし、このことの意味するところは
【波立つ海に向かって声をかけても、その声は届かない。
凪いだ海に、つまりこころが凪いだ穏やかな状態でなければ
その声は届かない】…と、いうことなのです。
昨年、弘法大師が悟りを開かれたという海で
その波の音に呼吸を合わせてみました。
瀬戸内海の海の音に慣れていた私には
その、海の呼吸はとてもゆったりと長く深いものでした。
感情が昂ぶっているときは、呼吸は早く荒くなります。
そこから発せられる言葉もおのずと、荒々しい波動になります。
今や、その言葉は電波に乗って地球を一瞬にして覆うのです。
波はいつも、寄せて返します。
私たちも、空気を吸って吐きます。
私達は、呼吸すること無しには10分も生きられないのです。
そんな母なる地球で私たちヒトは
他の命あるものと共に、空気も共有して存在しているのです。
深く長い呼吸で
お互いに、先ず荒ぶる感情を鎮めなければ
その声は、届かないのです。
どうぞ明日も、明後日も
この美しい地球に目覚めることが出来ますように。
「予防の更に向うにあるもの~七十二候から~ (2013-02-28)」
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コラム一覧 :HEAL THE WORLD
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参考)『日本の七十二候を楽しむ-旧暦のある暮らし-』(シーロック出版社2012.5.第2版)