『科学する心 日本の女性科学者たち』 と 小保方晴子さん。

椎結子

椎結子

テーマ:女性として

新たな万能細胞『STAP(スタップ)細胞』の作成に成功した
小保方晴子(おぼかた はるこ)さんのニュースは、
絶賛の声と共に、まさに日本を、世界を駆け巡りました。

「数十年後とか、百年後とかの人類社会への貢献を意識して、
研究を進めていきたいと考えています。」
と語られた一方で

「やめてやると思った日も、泣き明かした夜も数知れないですが
きょう1日だけ、あす1日だけ頑張ろうと 毎日おもっていた。」
という言葉が印象に残りました。

ここ数年は、リケジョ(理系女子)が注目されつつあったので
後に続く方達に、さらに励みになるのではないでしょうか。

神戸市にある
文部科学省所轄の独立行政法人 理化学研究所 発生・再生科学総合研究センターは
2000年の設立当初から、若手が独創的な視点で研究できることを重視されているということです。

また今回の研究の発表後、メディアに対して
若手の研究者である小保方さん自身が、研究に集中できる環境を確保出来るようにと
協力のお願いを発表されており
支援の体制が整っていることを、印象付けられました。

2001年7月に発行された
『科学する心 日本の女性科学者たち』という冊子があります。



この本では、
他の人が手を付けていない新しい研究を行い、後進を育てられた
自然科学者の中から女性研究者10人と、
積極的に女性研究者を育てた男性研究者の中から4人の方々を紹介します。

特に女性研究者たちは、
一般的に「女性は科学をする能力がない」といわれる社会環境の中で
情熱をもって粘り強く、周りの人々の理解を得ながら研究を続けた人々です。
そして困難を強さへと転換していった人々です。

さらに、「何について」、「どのように」研究するかというだけではなく
その研究を「何のために」するかということを考えていたようです。
自分の事だけではなく、
後に続く研究者を育てることにも熱意と工夫を示しました。
~ はじめに より 引用 ~



「猿橋賞」を創設された猿橋勝子さん(1920-2007)の名前も見えます。
賞創設の経緯は、以下のように書かれています。

『私が取り組んできたテーマの一つが、女性科学者を応援することでした。
1958年には 平塚らいてう先生の提案で「日本婦人科学者の会」を結成しました。
1980年に気象研究所を退官する際に、寄せられたお祝い金を基に
「女性科学者に明るい未来をの会」を創立しました。
科学の研究に取り組む女性たちを励まし、その研究成果を顕彰する「猿橋賞」を設けました。』

この本には英語版もありました。
この本は、美智子皇后さまから頂かれた御著書の印税の一部を元として作られています。
日本の女性科学者の黎明期から現在までの歩みを、少年少女たちが知ることが出来ればという
お気持ちを体して作られたそうです。
英語版は、皇后さまのご助言があって作成されたと、当時紹介されていました。


現在、日本では研究者のうち女性の割合は14%で先進国の中では最低水準となっています。
(2013年版 内閣府「男女共同参画白書」)

女性が仕事に就き、働き続けることが増加している今
出産・育児を経ても安心して働き続けられる物心両面の支援の充実が、
これからもっと必要になると思います。

そしてそれは、大人の視点からだけではなく
子どもの視点も考慮されていることが、大切で必要だと思います。


〈参考文献〉
『科学する心 日本の女性科学者たち』 2001年
  「科学する心 日本の女性科学者たち」実行委員会 発行
  *現在は、日刊工業新聞社より発行。
   (女性研究者14人と、男性研究者5人が紹介されています。)

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『STAP(スタップ)細胞』に関する論文に対する、こののちの経緯
 2月18日 「画像が不自然」という、指摘を受けて調査委員会が設置される。
 4月 9日 小保方氏、記者会見。
 7月 2日 ネイチャーがSTAP細胞の論文2本の撤回を発表。
       小保方氏が参加してのSTAP細胞の有無を確かめる検証実験開始。
 8月 5日 笹井芳樹氏(論文の指導者であり、責任著者の一人) 自殺

人類社会への貢献を意識して進められていたことが
このような経緯を辿り
関係者の命を縮めてしまつたことがとても残念です。

STAP細胞再現実験の成功を 祈念しております。

2016年3月10日 ハイデルベルク大学(ドイツ)の研究グループ、STAP関連の論文を発表。
 『Modified STAP conditions facilitate bivalent fate decision between pluripotency and apoptosis in Jurkat T-lymphocytes (邦訳:修正STAP条件によって、JurkatT細胞の運命が多能性と細胞死の間で二極分化する)』
 (2016.05.14 Business Journalより引用  http://biz-journal.jp/2016/05/post_15081.html

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「柔軟に、しなやかに・・・(2011-02-01)」
http://mbp-japan.com/hyogo/yu-cocoro/column/16766/

「女性のライフステージ~出産・育児~(2012-10-22)」
http://mbp-japan.com/hyogo/yu-cocoro/column/31589/

「乳児と受講 (2012-11-07)」
http://mbp-japan.com/hyogo/yu-cocoro/column/32109/

「女性のライフステージ~出産後~(2013-04-09)」
http://mbp-japan.com/hyogo/yu-cocoro/column/35995/

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