記憶を編集する *ストレス解消法 4*
山中伸弥京都大学教授が、ノーベル生理学・医学賞を受賞されて以降
インタビューや講演で
「失敗すればするほど幸運は来る。若い間にいっぱいの失敗と挫折を・・」
「1回の成功するためには、9回くらい失敗しないと・・・」
と、失敗することについての肯定的な発言を繰り返されました。
ご自身のそれまでの経験と今回の受賞、そして山中教授の
メディアを通しても伝わる人格から、多くの共感を得ていると思います。
この報道に最初に触れた日、
偶然ですが、相反する2つの『失敗』に対する情報を耳にしました。
一つは、この山中教授のインタビュー内容。
もう一つは、『失敗しない○○』というシリーズ本が大ヒットして売れているという内容でした。
どちらが正誤ではありませんが
一日のうちにこの両方を耳にしたことも、意味ある偶然なのだと感じています。
失敗してそこから学んでいくのは、幼児期前期・幼児期後期・学童期の発達課題となります。
そして、それぞれの時期の発達課題を達成したときに得られるもの(Gift)は
『意志』*、『目的』**、『有能感』***です。
*『意志(Will)』
人に対して、従順であるか、自己主張できるようになるかを
自分の「意志」で決められるようになります。
**『目的(purpose)』
正しいこと、間違ったことを理解し、一つの目的のために
積極的・主導的に行動する力をえることが出来る。
***『有能感(competence)』
自分が自分の課題に挑戦し、それを成し遂げることに喜びを見いだすこと【勤勉性】と、
挑戦した課題を上手く成し遂げられない、自分は何をしても上手く出来ないと
不全感と自信の無さに悩む【劣等感】。
この両方を経験することから、自己中心的な有能感ではなく
他人の気持ちも理解できる有能感を獲得することが出来るのです。
いま、子どもたちに失敗しないようにと
先回りして道を整える親心が、かえって子どもから成長のチャンスを奪っていないでしょうか。
この3つのGiftの不足がもたらしている問題があるようにも感じます。
そして、この就職の厳しい時代は
『失敗することが許されない』『失敗したら後がない』と思わせていないか。
ひいてはそのことが
【失敗した自分は、『NO』である】と自己肯定感を下げていないかと思います。
最近、私が言われた言葉にこのようなのがありました。
「(一度の失敗といっても、そのことは)ずっと記録として残るのに」
この言葉は、心をぎゅっと委縮させ、怖いと感じました。
失敗しても、やり直せば大丈夫!失敗するからこそ成長できるのだ!!と
山中教授の言葉をきっかけにして、チャレンジできる風潮になると嬉しいと思います。
『自律性VS恥・疑惑1〈エリクソン発達理論・幼児期前期〉(2011-05-23)』
http://mbp-japan.com/hyogo/yu-cocoro/column/19997
『自律性VS恥・疑惑2〈エリクソン発達理論・幼児期前期〉(2011-05-24)』
http://mbp-japan.com/hyogo/yu-cocoro/column/20002
『自主性VS罪悪感〈エリクソン発達理論・幼児期後期〉(2011-05-25)』
http://mbp-japan.com/hyogo/yu-cocoro/column/20021
『勤勉性 VS 劣等感〈エリクソン発達理論・学童期〉(2011-05-26)』
http://mbp-japan.com/hyogo/yu-cocoro/column/20034
『人生脚本2(人生の立場) (2010-07-31)』
http://mbp-japan.com/hyogo/yu-cocoro/column/11829/
『遊びをせんとや・・・ (2012-10-31)』
http://mbp-japan.com/hyogo/yu-cocoro/column/31878/
『シンクロニシティ(2010-08-25)』
http://mbp-japan.com/hyogo/yu-cocoro/column/12498
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