発達理論
思春期に入る前に、ここで臨界期について・・・。
各発達段階における精神的発達の課題がありますが
それはその時期において最も優勢になる危機であることを示しています。
そして、各発達段階における、危機を克服する過程は
臨界期的な問題を示していると言えます。
臨界期とは、ある行動の発達を促し誘発する要因に対しての
感受性が強い時期のことを言います。
〈敏感期(sensitive period)ともいう〉
それは、歯が生えるときの順番にたとえられますが
その時期に獲得するのが揃いやすいということです。
各段階の発達課題は、それ以降の発達の節目ごとに問い直され
獲得出来ているものは、厚みを増し
獲得しきれていないものは、再度獲得するチャンスを得ます。
ただ、臨界期に獲得する方が手に入れやすい傾向があります。
脳の重量は、生まれてから5年間で急速に発達します。
重量だけではなく、シナプス(情報の受け渡しをする)も生後急激に形成され
神経回路(ニューロンネットワーク)が形作られていきます。
この神経回路は正しい形を形成するために、過形成され
いったん形成された無秩序で膨大な数のシナプスは整理され一定数に落ち着きます。
この過形成はどのような環境にも適応できるように形成されるため
環境が定まると、必要なものだけが残ります。
このことを利用して、知識の早期教育がおこなわれることがありますが
このシナプスの過形成と刈り込みの時期は、脳の各機能の臨界期とも連動します。
治療や、技術の習得などには
その臨界期までに行わないと手遅れになるものもあるようですが
1,4,7歳の頃に未使用のニューロンは整理されるということですので
覚えた知識も使わなければ、整理される可能性があります。
また、発達課題を先取りし獲得しようとして
却って得られないまま成長してしまうこともあります。
その場合、獲得しそこなった課題は、退行して獲得しようとします。
参考:Erikson.E.H 『自我同一性』1973
Erikson.E.H 『ライフサイクル、その完結』1989
『発達理論1(2010-07-08)』
http://mbp-japan.com/hyogo/yu-cocoro/column/11161
『邪魔せず自分で考え、努力出来る力をつける(2010-03-23)』
http://mbp-japan.com/hyogo/yu-cocoro/column/7376
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