喪失と悲しみの心理 2
きのう11日、清水市代女流王将と「あから2010」というコンピューターの将棋ソフトの対局がありました。
清水市代女流王将は、
歴代最多のタイトル獲得数43を誇る女流のトップで、その実力は男性アマ五段以上のレベルといわれるということ。
対する「あから2010」というシステムは
今年の世界コンピュータ選手権で優勝した「激指」と「GPS将棋」「ボナンザ」「YSS」の4種類のソフトを組み合わせたもの。
このシステムの特徴の一つは、
4つのソフトを、サーバー169台からなる東大のクラスターマシンを使用して駆動させ、
4種類のソフト回答のうち、最も多かったものを“次の一手”とすることだとか。
プロ棋士とコンピューターの対局は
日本将棋連盟が2005年10月、公の場で許可なくコンピューターと対局することを禁止しています。
今回の対局は、情報処理学会の50周年プロジェクトとして実施されたものです。
激闘6時間の結果は、「あから2010」の勝利でした。
わたしは将棋の事は分からないのですが
テレビを見ていて、流れを変えた一手が
4種類のソフトの中でも意見が分かれ、
3対1の多数決で決まったということに興味を持ちました。
そして、一人の人間に対抗するために
人の手で作るものは、こんなにも時間と大がかりな準備が必要だということにもです。
人工頭脳は、人間の行動やシステムに倣い
人間は、自然の中に存在しているものに倣います。
わたしは、様々なものが機械に置き換わっていくなかで
最後に残るものは何なのだろうかと考えてきました。
その答えに正解はないと思うのですが
わたしは、人と人が直接伝え合うものの中にあると思っています。
わたしが、対面のカウンセリングしかお受けしないのはそのことに基いています。
先日、遺伝子を調べる実験に参加させて頂いたのですが
その時の指導にあたって下さった教授の
「人は大腸菌ひとつ、つくりだせない」という言葉がこころに残っています。
今ここに存在している、一人一人は『70兆分の1の可能性』の命なのです。
自分の命も、周りの命も大切にしましょうね。
『生まれてくること 生きていくこと(2010-05-28)』
http://mbp-japan.com/hyogo/yu-cocoro/column/9902