陰中の陰 ~冬至によせて~
生まれてきた命(からだ)を継続して支えるために、わたし達は「後天の精」である食物から栄養を補い続けます。
そのため、生きていくために「食欲」は欠かせない欲求であり
本来はこの欲求が満たされないと、こころの成長の階段も上っていけません。
ところがこの猛暑のせいで、食べようとする「意欲」が失われて
食欲不振だったり
肌の露出の多い季節は、ダイエットのシーズンだったりするので
少ししか食べなかったりします。
しかし、結局は食べないことで『腎』は養われず
骨(歯)が弱ったり、髪のつやがなくなったりします。
また、ホルモン分泌も促進されず
低体温で、脂肪の燃焼が悪くなり太ることにもなります。
食べることを大切にして欲しいとおもいます。
ただ食べるというだけではなく “楽しく食べる”ことが大切です。
食べることは空腹を満たすだけではなく
味覚・嗅覚・視覚・聴覚・触覚の五感を総動員することでもあります。
そのことで、脳も活発に動きます。
そして大切なことはよく噛んで食べること。
田村裕さんの『ホームレス中学生』を読むと、空腹を満たすために世界が変わるほど噛んでおられましたが
そこまではなくても小学校の保健の先生推奨の、30回を目標に出来ればと思います。
噛むことで、五感も刺激され脳の老化のスピードを遅らせることもできます。
また、中華料理の高級食材ツバメの巣はそのコラーゲンが良いばかりではなく
海藻等で巣を作るときによく咀嚼し、唾液とよく混ざっていることがからだに良いのです。
唾液は肺を強くするだけではなく、腎精の滋養にもなります。
噛むことで、唾液がたくさん分泌されて
アミラーゼ(消化酵素)とよく混ざることで、胃の負担も減ります。
よく噛んでゆっくり食べると少量でも満腹感を得られ、経済的なダイエットにもなりますよ ^^
以下も参考にお読みください。
『マズローの欲求の階層説(2010-05-27)』
http://mbp-japan.com/hyogo/yu-cocoro/column/9844
『精(2010-07-21)』
http://mbp-japan.com/hyogo/yu-cocoro/column/11475
『髪、パサついていませんか?(2010-07-23)』
http://mbp-japan.com/hyogo/yu-cocoro/column/10789
(参考:『中国伝統医学 入門編』神戸中医美容整体学院
『噛む力で脳を守る』小野塚實 )
〈中医学 21〉
【知恵カフェ 8月号】