介護施設の職員の給与から、給食費を引き去るために必要なこと

山本勝之

山本勝之

テーマ:働く上でのルール、就業規則


先週の後半から、冬の寒さに、ようやくなったような気がします。

スキー場・衣料用品の販売では、寒くて雪が降らないと困る方も多いと思います。


一番は、メリハリのある季節がいいのですが・・・。




介護施設では、職員も利用者と同じ昼食を食べることがあります。


同じものを食べることで、味付けやおかずの固さなどを職員が確かめたり、
利用者の傍で食べることで、食事中の会話もはずみます。

また職員自身も、、昼食を買ってきたり、作ってこなくてもよく、
暖かい食事を食べることができるとして、職員の方も結構利用されているのではないでしょうか?



職場で出された昼食を食べたときには、給食費として、職員が負担していることがあります。


この給食費は、どのようにして、職員から集めておられますか?


給食費として給与とは別に、職員から集めている場合は問題ありませんが、
給与から天引きして、職員から給食費を集めている場合があります。


この場合は、注意しておくことがあります。

それは、給食費を給与天引きをする場合は、「賃金控除に関する協定書」を
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
労働者の過半数で組織する労働組合がある時はその労働組合、
過半数で組織する労働組合がない場合には、労働者の過半数を代表する労働者代表と
結んでおかなければいけません。


この協定書を結んでおかなければ、労働基準法第24条の全額払いに反します。


所得税、住民税、社会保険料(健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料)、
雇用保険料の個人負担分を給与から引き去る場合は、協定書がなくても
給与から引き去ることが法令で定められているので、支障はありません。


しかし、これら以外の、給食費や職員懇親会の会費、生命保険料の掛金等を
給与から引き去る場合は、協定書が必要になります。


労働基準監督署では、職場へ訪問し、法令順守ができているかの調査をすることがありますが、
この「賃金控除に関する協定書」(「24協定」とも言います)が結ばれ、
給食費などを給与から天引きしているかを確認していますので、
協定書を忘れず結びましょう。


→協定書のひな形はこちらです(兵庫労働局・ワード形式 28KB)
http://hyogo-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/library/hyogo-roudoukyoku/other/files/n-roudou27.doc


~こちらの記事も、続けてご参考ください~
・介護職員の給与から引かれているものは?
・給与計算では、くれぐれも気をつけてください。


~介護・福祉の職場をサポートしています~
メールマガジン「労務と人材育成のヒント」を毎週火曜日の朝にお届けしています。
別の内容をお届けしていますので、登録をいただき、こちらもご参考ください。
https://www.directform.info/form/f.do?id=1834


※この記事は、2017年5月30日に内容を一部修正しました。

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

山本勝之
専門家

山本勝之(社会保険労務士)

ゆい社会保険労務士事務所

介護の現場で要となる人材面を中心に、事業所に向けたあらゆるアドバイスに取り組んでいます。人材採用、教育、評価、職場環境の整備から、施設の開設、事業譲渡まで、サポートの範囲は多岐にわたっています。

山本勝之プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

介護事業に解決志向で労務アドバイスを行うプロ

山本勝之プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼