重心を感じて立つ うまさきせつこのボディコントロール
あなたの足首は本当に固いのでしょうか?
昨日、パーソナルで中学生の男の子を見た。
うちでは基本的に子供のレッスンはお受けしていない。
子供自身の意思でなければ
親や周りがどんなに熱心でも
親に言われて何となく来るようでは
お金も時間も親が何とかよくしてやろうと思う気持ちも
無駄になることもある。
もちろん、それがきっかけでいい方向に向かうこともあるので
難しいところもあるけれど
親御さんとお話しして
ある球技をとても厳しい環境でやっていることや
元々体育会系女子の私にも理解できる状況だったので
来ていただくことになった。
足首がとても固い、正座もできないということだった。
悩みの根本はそこにあると言われたらしい。
会ってみると緊張しているようで、声も小さい。
問診票から想像してみた体の状態は、ほぼ当てはまったので
足裏の連動できる踏み方から、全身を整えて
更に順を追って、背骨が伸ばせる状態の位置感覚も感じてもらった。
誘導するたびに「楽!」と言ってくれる。
自分の普段の状態が、しんどいこととも気づいていない人は多い。
一度楽な状態を感じてみると
なんとしんどいことをしていたんだろうと思う人が殆どだ。
初めは固まっていた足首、足裏はみるみる柔らかくなっていった。
足首が固くてどうしようもないのではなくて
脚の踏み方も体の使い方も知らなかっただけ。
知らないから固くしかならないように使っていただけ。
使えない状態だから固くなる。
体がつながる状態を知って使っていけば
あなたの足首も体も決して固くない。
熱心なお父様が一緒に来られて、できるところは一緒にやってもらい
お家でできるところを覚えてもらった。
子供は任せておいたら、できるようにしてくれるだろうと思う親御さんもいるが
それは違う。
時間をかけ、手間をかけ、お金をかけ、よくしてやりたいと選んだレッスンなら
できる限り見届け、子供と一緒に取り組まなければ
子供は成長過程であって、すべてを消化できる経験は少ない。
最初は痛がっていた正座が、痛みなくできるようになった。
よく伸びた背骨できれいにできた正座。
まだそこに至る体の使い方が定着したわけでなく
誘導してできたことなので、これから時間はかかる。
正座できたら、彼のプレイがよくなるのか?と思う人もあるだろう。
している競技となんの関連があるの?と。
日常での基本的な体の使い方が改善できないと
プレイするうえでのあらゆることは、それ以上伸びない。
ねじれて縮んだ状態では、思うパフォーマンスは難しい。
運動がよくできる子どもは、体育座りがきれいだ。
いまどきは、股関節がきれいに折りたためない子供はとっても多い。
日頃の姿勢や使い方をよくしなければ
プレイする時だけ、力を発揮できる姿勢にはなるわけがない。
脚に負担をかけない踏み込み方や
方向をねじらない腕や手首の使い方も、脚と同じ。
1回では全てクリアーにはなっていかない。
親御さんからの申し出で、定期的に見せてもらうことになった。
同じように競技をやってきたものとして
いろいろ話もした。
素直に明るく聞いてくれた。
終わった後は、自分から使ったものを自主的に片づけて
重たいものも持ってくれた。
帰る時には、とても大きくはっきりした声で
「有難うございました!
またよろしくお願いします!」
ととてもいい笑顔。
彼の望むことが叶うように
私のできることをしようと
思えた。
爽やかだった。