丁寧に自分の「場」を楽しむ

うまさきせつこ

うまさきせつこ

テーマ:自分自身を高める

丁寧に自分の「場」を楽しむ

昨日、通常レッスンに来られている方の発表会があり
久し振りに出られると言うので
見に行ってきた。
1人ずつのバリエーションが殆どの舞台なので
早くから行くと、ちょっとしんどいかしら?と思っていたが
飽きることなく、楽しく見せて頂くことが出来た。

良く体の利く若い人や子供、
大人から始められたのだなとおぼしい方たちもたくさんおられた。
子供たちや若い人たちが、元気に溌剌と楽しそうなのはもちろんだけれど
どなたも楽しくて仕方がない!というお顔で踊られている。

大人から始められたように見える方たちは
若い人たちのようではなくても
とても丁寧に集中して、ひとつひとつを噛みしめるように
踊ってらっしゃるのを見て
「いいなあ」と思った。

発表会は生徒さん達の成長の場。
1人ずつ踊り、ましてや同じバリエーションを踊れば
見る人にはもちろん「個人差」は見える。
けれども、発表会は競い合う場ではなく、「個人比」を伸ばす場である。

出演者のそれまでを私は知らないが
まだポワントで立つ脚は不安定でも
丹念に確かめながら、今の自分のできることに集中し
自分に与えられた短い自分だけの「場」を満喫されているのは
心地よかった。

1つずつの動きを「あっ!今の降り方はいい」
「今のタイミングいい!」「そこで呼吸して!」
と、心の中で応援しながら見ていた。

うちに来ている方は、板につくところまでは、私がアドバイスしたように
たっぷり落ち着いておられた。
中盤で、少し緊張されたのがわかったが、笑顔たっぷりで
無事踊りを終えられた。

楽屋に後で訪ねていくと

「途中で、一瞬頭が白くなりました!」
とおっしゃっていたのを あの場面だなと思って聞いた。
ボディコントロールをやっているから、久しぶりに舞台に出たくなった
出てみると、やっぱり気づくこと、刺激を受けることがいっぱいです、
自分がうまくできないことをもっと
出来る方向に向けていきたいと
言われるのを聞いて嬉しくなる。

舞台に出て気づくこと、得るものは普段のレッスンの比ではない。
そこに出て見ないとわからないこと、得られないものがある。
普段していることを集中してやってみることで
いつもなら通り過ぎてしまうことに直面して、解決していかなければならなかったり
感じ方が受け身でなく、自分から考えていくことに繋がったり
自分で立つことに変化することも少なくない。

フィナーレでは、踊り終えて安心されたのか
柔らかで楽しそうなお顔になっていた。

どんな発表会でも、いろんな生徒さんをまとめ
その方たちが少しでもよく、少しでも安心して踊れるように
指導するほか、運営、手配していく先生方のご苦労は並大抵ではないが
ロビーや楽屋でわさわさすることもなく
何より生徒さん達が、本当に楽しそうにされているのを見て
気持ちよく会場を後にした。

丁寧に自分の「場」を楽しめるのは
大人で自分の好きなことを持っている人の素敵なところである。
成長するのは子供や若い人たちだけのものではないのだ。

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

うまさきせつこ
専門家

うまさきせつこ(ダンスインストラクター)

うまさきせつこモダンバレエ研究所

脚や股関節、肩、首の盛り上がり、正座できないなど体の辛い悩み、ダンサー、アスリートのしたいことがうまくいかない現状に自ら 編み出したボディコントロールで向き合う。定期クラス、WS、パーソナルレッスン

うまさきせつこプロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

ボディコントロールで体の使い方を伝えるプロ

うまさきせつこプロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼