肋骨の位置を整えて自然な力の流れを作る
急ぐとひとつもいいことなしー腕の動きだし
腕に限ることではないが
最終目的の形に頭が囚われると、途中経過をすっ飛ばす。
準備を充分にしないで始めたり、準備はしても
入る前の呼吸もないままに動いて
体が落ちたり、入らぬはずの力が入ったりする。
これは腕を体の後ろ側に伸ばして、大きな弧を描いて
頭上まで持って行こうとしている、最初の動きだし。
2枚の写真は全く同じことをしているが、上は焦った動きだし、
いらない力が入って腕がムキムキになっている。
下は準備して通るところを通って動き出したもの。
同じ動きでもすんなりした腕になっている。
誰でも、自分ではプロセスを通っているつもりでいるが
動きが焦っている時は、自分のしていることと頭の考えていることの違いに気づけない。
わかっていても行動は
「腕をあげよう」としている。
最初に息を吸って吐く寸前の微妙な間で
吐く時には既に「抜く」ところに流れが入っている。
肩甲骨を回し下げ、肩口を前から後ろに回すことをしていると
勝手に腕が上がってくる。
まず脇を床に抜くところが大事だが
ここを充分にせず、弧を描く過程で「上に上げる」方に意識が行くと
行く道を遮って邪魔をしてしまう。
動かしているのは脇や肩甲骨周りで、腕を動かしている訳ではない。
根元の動きを腕に伝えているに過ぎない。
プリエだって同じ。
呼吸して準備しないでいきなりすると
誰だって「膝を曲げた」落ちたプリエになる。
急ぐと頭が飛ぶのだ。