開脚から痛みなく脚を回す意識付け
股関節と背骨の動きを連動させて開脚前屈
「開脚前屈」というと、頭の中は「脚を開く」ことでいっぱいになり
ぐいぐい脚を体の外側に引っ張り、外向きにしようと
反動をつけたり、体の重みで無理矢理開こうとしたりすることが多い。
自分がそうだったから、気持ちがわかるし、
体の伸びる方向を考えないで、前に強引に体を倒したりして
肉離れもした。
怪我したり、傷めたりした後は、それ自体が体の流れを遮ってしまったりするので
怪我などないに越したことがない。
もう20年近くたっていると言うのに普段は全く忘れているのに、いまだに調子が悪くなると
切れた部分が張ってくる。
肩甲骨を回し下げ、上に上がっていかないようにとどめ、はがれた状態にできると
背骨が楽に動かせるようになり、股関節も連動して動かせるようになる。
集めて細長く伸ばす背骨の感覚
の意識であれば、開いた脚の付け根には折れ目が出来る。
調子が悪い時の私の脚の付け根は、ここから前屈する時、時折痛い時がある。
強いてしなくていいときは、そこでとどめて脚を後ろまで回したりしないが
あえてする時には、じっくり、股関節をより引き込んで、痛い部分が直接張る方向に行かないように
調節して使っている。
流れの方向を体幹から通していく作業をしながら開脚前屈している。
もちろん、そういう意識をしないでできる人もある。
でも誰だって調子が悪くなったり、傷めたりすることもある。
傷めていたら無理矢理しないでいいと思うが、それでも必要なとき
丁寧に体の流れの方向を感じながらできれば
体に負担をかけずに、自分のパフォーマンスを上げることができる。
開脚前屈が1回もうまく出来ない人は、脚を開くことに躍起になるより
まず痛みなく座れる状態になること、
そこから背骨や股関節を使う感覚を覚えて、意識付けし
無理なく出来ることを時間をかけてやっていくことが
遠回りのようで、確実な近道になると思う。
ギャンブルの様に、1回だけの幸運でできるような幻の開脚前屈ができても
出来たとは言わない。
反動をつけて、痛いのを我慢してできたとしても
痛いところからのスタートでは、それ以上努力するのは、恐ろしいエネルギーがいる。
痛い思いをしながら学んでいくのも、若い時はそれでもいいからと頑張ってしまいがちだが
下を見たら、体がすくんでしまいそうな岩山をよじ登るのではなく
確実に登って行ける迂回路を自分のペースで登っていくのが
ある程度の年齢になった大人には必要なことだろう。
背骨や股関節の動きについては、たくさん書いているが
その中のひとつ
肩甲骨、脇を整え、背骨のしなりで体を反らす
もご参考に。
この開脚前屈は方向が違うだけで、動きとしては同じやり方である。
長座前屈、立位体前屈なども同じ。
体はつながって、影響し合っているので
脚だけを考えてもうまくいかない。
より滑らかに、きつさがなく負担がかからないようにしようと思えば
体幹部分をしっかり使える状態を覚えていきたい。
怪我しないで、出来るようになることは何より大事なことだと思っている。