肋骨の位置を整えて自然な力の流れを作る
肩甲骨・脇を整え、背骨のしなりで体を反らす
「背中が固くって」
と言われる人の多くは、腕で上半身を重いまま、
一気に持ち上げようとされる。
重くて長い棒に支えをつけても、その支えに重みがかかるだけで
それを曲げようとすれば折れてしまう。
しなる状態になっていない背骨を
無理矢理、端から曲げようとすれば
痛いのは当たり前だし、反らすのは痛いから
痛くならないように固めてしまう。
背骨が自然に動く状態にしようと思えば
肩甲骨を回し下げて、脇が広くつながるようにすると
肩甲骨は肋骨から浮き
肩甲骨の下まで固まらず、楽でしっかりした状態ができる。
脇の引っ張り、引き込みで安定した上半身を作る
そうなると初めて背骨の動きが出せる状態になる。
胸椎から順に(円弧の中心から両端に)ゆっくりひとつずつ
力の流れを送っていくつもりで
初めは手首から肘まで床に付ける方が無理がない。
流れが感じられたら、腕でなく肩甲骨の下から脇~肘をつなげながら
更に体を起こしていく。
腕で支える感覚でなく、肩甲骨から支えが伸びているイメージ。
動画中、お尻を持ち上げるシーンがあるが
これも骨盤と脚を分ける意識で、お尻を持ち上げると同時に
脚の付け根をお尻方向に動かすようにすると
更に背骨の動きが出やすい。
骨盤の前後傾改善と内腿の可動域を広げるストレッチ
「板」を起こすのではなく「椎」をひとつずつ動かしていく。
部分的に力の流れが違う方向に行くと、無理な痛みが出てくる。
もちろん最初から、夢のようにしなやかな動きがでるわけではない。
このようにしてもらっても、最初は
「あ!起こすのが楽!」
くらいの感覚しかないかも知れない。
動画のこの人も固くはないのに、直前まで全く体は起こせなかった。
長座でも、前屈でも、肩甲骨や脇が安定した状態があり
背骨が動かせる状態にないと、充分にできない。
どんな運動でも姿勢でも、体幹が安定する状態が感じられなければ
スムーズにいかない。
いろんな動きをスムーズにできるようになるためには
バランスよく、全身を使っていかなければ、偏りが出てくる。
このように背骨のしなりで体を反らしたら
反対の動き、背骨のしなりで丸くなることも必ずやってほしい。
片方だけでは、より多くしている方に体が偏っていく。
両方の動きを忘れずにすることで
バランスのよい、痛みにくい体ができていく。