坐骨を中心に寄せる感覚シミュレーション
股関節の意識の差、意識と体は=になっているか?
脚を上げたり、長座や体育座りで座ったりするにも
股関節の意識の仕方で、全く違った筋肉の状態になる。
この写真はお尻を引いて膝を折った状態から伸ばしたものだが
坐骨を後ろに引いて背中を反らした状態になっている。
たくさん伸びて見えるが、意識は
「坐骨を後ろに引いて腿の裏を伸ばす」
になっているので
背中だけが緊張して、下腹はなんとなく伸びているように見えて
つながりのない伸びになっている。
膝裏は過伸展して後ろ側に押されて、湾曲するように伸びている。
柔らかい人はこの状態で伸ばしてしまうlことが多い。
痛いほどの張りを感じるので
「すごく伸びている」と本人は思ってしまうが
反り腰、反張膝が定着して、体が通りにくい。
力の方向が楽で自然な方向には伸びていないのだが
体が固ければ、この伸びは「痛い」と感じるので
ここまで伸びない。
背骨を背中とお腹でサンドイッチしたようにはさんで伸ばし
坐骨の位置をとどめて、脚の付け根を引き込んでやってもらった。
膝はまだ後ろに押され気味ではあるけれども
股関節の意識は変わっている。
お尻を後ろに引くところからスタートしていたのが
坐骨を留めたところから脚の付け根を引き込んで
お腹と背中をはさんで伸ばし、脚は床方向に送ろうとしている。
感覚の違いも初めは過剰に伸ばしていて
後の方は楽に伸びていると自覚している。
初めの写真の方が伸びがすごいように見えるかもしれないが
体の通っていると自分で思っている感覚と
実際に体が起こしている状態は違う。
ストレッチのシーンではそれほどにはわかりにくいが
動きが次々と繰り出されていくときに、動きの質が変わってくる。
じっくりストレッチするような時間をかけられる場合には
自分の意識と感覚とが実際に体がしていることとイコールになっているのか
常に確かめて、その差異を縮めていく必要がある。