子どもが社会へ発達していく道筋
「自己愛・依存」
「人間は精神的な自律などできるわけがない。成熟した依存が発達の最終ゴールにすべき」と精神分析家ハインツ・コフートは唱えました。
精神分析医フロイトという人の理論は、「最終的には自己愛の状態を脱して、他者を全面的に愛せるようになることが、人間の発達のゴール」と考えました。
どちらがしっくりくるでしょう。
「自分を愛すること」「依存をすること」は、どうしても否定的に捉えられがちになり、自己中心的だとか自分勝手のほうに置き換えられていきやすいです。
誰もが自分を愛したいし、愛されたいと思うものと思います。
しかし、私たちのもとを訪れる人たちの多くは、自己評価が低く、自分を愛する力に弱い傾向があります。
また依存する・甘えることにも上手にできない面をもっているようです。
「自分を愛すること」「依存をすること」は、外圧から自分を護るだけ、自分勝手に振舞う等とは意味合いが違います。
周囲から「情」を受け、応え、関係が成立する幅が大きいほどに自分を認められる機会も多くなるでしょう。