佐賀学園 成穎中学校での講演会「学力向上のための7つの問いかけ」

長谷川満

長谷川満

テーマ:教育・人権講演会

10月31日(火)は佐賀県にあります成穎中学校の生徒さんを対象に講演してきました。
タイトルは「学力向上のための7つの問いかけ」



 下の資料をもとに解説していきました。



 

1、なんのために勉強するの?

 まず勉強する目的がわからなければ頑張って勉強しようとは思えませんね。
 僕の生徒で面白いことを言う子がいました。
 「先生、なんで歴史なんて勉強せなあかんの?あれ全部済んだことやろ、終わったことやん。そんな終わったことばっかり振り返るより、もっと未来のことを考えた方がいいやん。」
 「面白いこと言うなあ・・。確かにその通りやな。過去ばっかり振り返ってんと未来のことを考えた方がいいわ。」
 「そうやろ。だいたい歴史に出てくる言葉って難しいねん。墾田永年私財法(こんでんえいねんしざいほう)とか。」
 「そうやなあ・・。でも歴史って一番点が取りやすい科目なんやけどなあ・・。覚えたらいいだけやし。やる気になったらすぐにでも平均点ぐらい簡単に取れるんやけどなあ・・。」
 そう言うとちょっとやる気になって、それでテスト勉強手伝ったら50点くらい取れて、そうすると「簡単やん」て思ったみたいで3年生には93点くらい取れるようになりました。



 また「先生、連立方程式って社会出て使う?使わへんやろ?そんな社会出て使わへんのに、なんで勉強せなあかんの?」とか「日本人やのに、なんで英語を勉強せなあかんの?」と聞いてきた子もいました。
 
 やっぱり、どんな形にせよ生徒本人の納得が大切で、自分で納得できると勉強も頑張れます。
 
 僕の生徒で、ゲーム漬けで全然勉強しない子がいたんですけど、その子は「海上保安官になりたい」ていう夢ができて、それで自分の意思でゲームを売って勉強に打ち込みました。海上保安官になるには難関と言われる公務員試験に受からなければなりません。その子は本当に頑張って勉強して5回目のチャレンジで合格して、いま海上保安官として日本の海を守ってくれています。

 「なんのために勉強するの?」は色んな答えがあっていいんですね。
 いきたい高校があるからでもいいし、看護師になりたいからでもいい。
 皆さんが心から納得できる答えが見つけられたら、その時みなさんは「させられる勉強」から「自分からする勉強に」に変わります。

 

2、今までで一番良かった点数は?


 「今までで一番良かった点数は?それがみなさんの本当の実力です。」

 みなさんは自分自身についてどんな自己イメージを持っていますか?
 その自己イメージが「怠け者」とか「意志が弱い」とか「頭が悪い」とか、そういうマイナスの自己イメージを持っているとそのマイナスの自己イメージに添った行動しか生まれません。
 つまり自分のことを怠け者だとか頭が悪いと思っている限り、自分から勉強するなんて行動は起こしません。
 逆に「自分には能力がある」「自分ならできる」という自己イメージを持っていると何事も「やってみよう」と行動につながりやすいのです。
 この「自分ならできる」という感覚のことを自己効力感と言います。
 自己効力感が高いほど課題を達成できる傾向が強く、またその達成に向けての努力もよくするということが知られています。
 だから自己イメージが大切なんですね。



 僕ね、ウォーキングが10年続いているんですが、10年前までは全然続かなかったんです。
 雨が2、3日続くとそこで中断したり、風邪で4、5日ウォーキングしないともう歩かなかったりで、全然続かなかったので自分のことを「続かない奴やなあ」と思っていました。でも、よく考えたら中断してもまた再開しているんですね。だから自分は「続かない奴」ではなくて「再開する奴や」と自己イメージを変えたんです。
 そうすると不思議とウォーキングが続くようになったんです。

 ある生徒の話です。
 いつも数学80点くらい取るんですがその時のテストでは50点しか取れなかった。
 それで落ち込んでいた彼に僕はこう話しました。
 「ここにある走り高跳びの選手がいます。彼は調子がいいときは180センチ跳べます。調子が悪いときは150センチしか跳べません。さて彼は何センチ跳べるでしょう?」
 「えっ、180センチ?」
 「そう!180センチ跳んだことあるんやったら180センチ跳べるやんなあ。君も80点取ったことあるんやろ?そのときめっちゃ勉強したか?」
 「いいえ、そんなにしてません。」
 「そんなにしてないのに80点取れたのなら頑張ったら80点以上取れるようになるわ。君にはそれだけの実力があるよ。」
 と励ましたらその子はそれから頑張って元の志望校よりワンランク上の高校に進学しました。

 だから、もう一度言いますね。
 「あなたが今までで取った最高得点があなたの実力です。」


 4番から6番で能率的な学習方法を具体的に説明しました。


 

7、どうすれば頭が良くなるのかな?

 究極の楽していい点数を取る方法は頭を良くすることです。
 頭が良くなると、ちょっと勉強するだけでいい点数が取れるようになります。
 そんな方法があるのでしょうか?
 あります!
 今からそれを教えます。



 1、楽しんでやる
 とにかく楽しんでやっている時には能力は全開になっています。
 ゲームやっている時なんかそうでしょ。だからゲームはうまくなるんやね。
 勉強も一緒です。楽しんでやっている時に一番頭に入るし、一番頭フル回転しています。
 人間の脳というのは「楽しい」「面白い」と感じている時に能力全開になります。
 ドラゴンボールの悟空が強い敵を前にして「おら、ワクワクしてきたぞ!」ていうでしょ。
 あれはとても理にかなっているんですね。
 だからオリンピック選手も「楽しんできます」て言うでしょ。
 あとルパン三世の次元もピンチになると「面白くなって来やがったぜ」て言います。
 あれもいいんですね。
 だからみなさんもテストの前や発表会の前には是非、彼らの言葉を唱えてみてください。
 これは実際に効果があるそうです。



 2、没頭してやる
 これは時間を忘れて夢中でやる、ということですね。
 時間を忘れて夢中でやっている時も能力全開です。
 能力全開になって初めて自分の限界を超えられるんですね。
 いつも60%くらいで手を抜いていたら頭は良くなりません。
 100%出し切った後、もうひと頑張りして120%出してこそ、どんなことでも上達するのです。

 3、自分からやる
 どんなスポーツでも一流選手は自分に必要な練習を自分からやっています。
 嫌な練習をイヤイヤやらされて一流になる選手はいません。
 嫌な勉強をイヤイヤやらされても頭は良くなりません。
 
 この3つはみなさんの中にある素晴らしい可能性や能力を花開かせる三条件でもあります。



 人生で一番大切なことは
 「今していることを愛すること」です。
 そして
 「今していることを楽しむこと」です。

 みなさんなら、今していることとは 
 勉強や部活や友達と遊ぶこと、ゲームや音楽を聴くこと、そんなところでしょうか。
 その目の前のことをを愛して楽しんでください。
 そうすれば勉強も部活も友人関係も上手く回りだします。
 そして人生は楽しんだもん勝ちです。

 2枚目の資料「入試本番心得」にテストの受け方について書いてあります。
 是非参考にしてください。



 講演の最後にクラス一人一人それぞれ違う詩を生徒さんたちにプレゼントしました。

 講演後10分ほど質疑応答がありました。
 そのうちの2つを紹介します。



 質問1「やる気が出ないのですがどうすればいいですか?」

 長谷川「やる気が出ない場合は、まず10分だけ勉強しようと決めてとにかく勉強を始めます。勉強というのは始めるのがものすごくハードルが高いのね。始めちゃうと意外と頑張れてしまうものなんですね。勉強始めるとだんだん乗って来て1時間30分くらいやれたりするから、やる気がなくてもとにかく始めてみる。
 よく悲しいから泣くんじゃなくて泣くから悲しいんだとか言うでしょ。
 心と行動って連動しているのね。
 やる気があるかのような行動、つまり勉強を始めるという行動をすることによって逆にやる気が湧いてくるということがあるんです。
 やる気が出るまで待ってたらいつまでたっても勉強できません。
 勉強するという行動を起こすことによって、自らやる気を起こさせるということが大事です。」


 質問2「僕はゲームをよくするんです。多いときは3時間くらい。普段は1時間か1時間半か。平均すると1日90分くらいしているんです。それでゲームと勉強を逆転させて、勉強をいっぱいしてゲームは少しにしたいんですが、どうしたらいいですか?」

 長谷川「君、偉いなあ。それで君はゲームが楽しいから長くやってしまうってこと?(「はい、そうです。」)楽しいんやったら1日90分ゲームしてていいよ。1日90分くらい、心から楽しめることしたらいいやん。そうして気持ちが満足して勉強したらいいやん。人間、楽しみも大事よ。『楽しかった』て満足したら勉強も頑張れるやん。勉強もゲームも楽しく充実させたらいいと思うよ。
 君、今日お母さん来てるの?(「来てません」)
 そりゃあ残念やったなあ。じゃあ、今日講演してくれた人が1日90分はゲームしなさい、1日90分は楽しいことしなさい、その方が勉強頑張れるって言われた、て言いね。そのまま勉強もゲームも頑張ってね。」

 講演後、花束をいただきました。







 
 教育講演・人権講演のテーマや内容、お問い合わせについては
 http://mbp-japan.com/hyogo/hasegawa/column/64075/

 講演会の講演依頼.com|長谷川満 プロフィールページ
 https://www.kouenirai.com/profile/3820

 子どもさんの学習の悩み・家庭教師のご相談は
 http://www.hariat.co.jp/ksg/


    < 最近行った講演会 >

 2023年10月 九州地区理容師美容師養成施設教職員研修会
 「多様化する学生対応」
 https://mbp-japan.com/hyogo/hasegawa/column/5147141/

 2023年10月 兵庫県加西市立加西中学校PTA人権講演会
 「自信と意欲を引き出すプラスの問いかけ」
 https://mbp-japan.com/hyogo/hasegawa/column/5146749/

 2023年9月 兵庫県多可町立中町南小学校PTA人権講演会
 「自信とやる気を引き出すプラスの問いかけ」
 https://mbp-japan.com/hyogo/hasegawa/column/5145867/

 2023年9月 大分県豊後高田市主催
 オンライン講演「いのちの大切さを子どもたちにどう伝えるか」
 https://mbp-japan.com/hyogo/hasegawa/column/5145807/

 2023年9月 三重県明和町立下御糸小学校人権講演会
 「絵本で語る子どもの人権』
 https://mbp-japan.com/hyogo/hasegawa/column/5145297/

 2023年9月 東京都港区芝浦小学校人権講演会
 「子どもの自信と意欲を引き出すプラスの問いかけ」
 https://mbp-japan.com/hyogo/hasegawa/column/5144594/

 2023年8月 朝来市教職員組合・養父市教職員組合主催
 「自信とやる気を引き出すプラスの問いかけ」
 https://mbp-japan.com/hyogo/hasegawa/column/5141850/

 2023年7月 島根県奥出雲町立布勢小学校
 オンライン講演「自信と意欲を引き出すプラスの問いかけ」
 https://mbp-japan.com/hyogo/hasegawa/column/5140240/

 2023年7月 御津子育てつどいの広場
 「子どもを幸せに伸ばす10の秘訣」
 https://mbp-japan.com/hyogo/hasegawa/column/5139734/

 2023年5月 神戸市立幼稚園PTA連合会
 「子どもを幸せに伸ばす10の秘訣」
 https://mbp-japan.com/hyogo/hasegawa/column/5136150/

 2022年3月 ひめじ若者サポートステーション自立就職支援セミナー
 「無業状態の我が子の自己肯定感を高める7つの方法」 
 https://mbp-japan.com/hyogo/hasegawa/column/5131238/

 2023年2月 宮城県大崎市立古川第一小学校
 オンライン講演「自信と意欲を引き出すプラスの問いかけ』
 https://mbp-japan.com/hyogo/hasegawa/column/5129613/

 2023年1月 徳島県立人権教育啓発推進センター主催講演会
 「子どもの自己肯定感を高める7つの方法」
 https://mbp-japan.com/hyogo/hasegawa/column/5128247/

 

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

長谷川満
専門家

長谷川満(家庭教師)

家庭教師システム学院

発達障がいや不登校の子の意欲を引き出すには自己肯定感を高める必要があります。その子のありのままを受容し、信頼関係を築き、成功体験と褒め言葉で自信と意欲を引き出します。

長谷川満プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

子どもの自信とやる気を引き出す教育のプロ

長谷川満プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼