兵庫県加古川市立氷丘南幼稚園での講演会 「あなたのままで100点満点」
9月21日(木)は三重県明和町立下御糸小学校に講演に行ってきました。
今回は小学3〜6年生の児童対象の人権講演です。
テーマは「絵本で語る子どもの人権」
子どもの人権とは何か
今日はみんなに「子どもの人権」について話をしに来ました。
子どもの人権て何か?
それは子どもはどんな子もみんな大切にされる、てことです。
子どもはどんな子でも大切にされ「楽しい」「嬉しい」毎日を過ごせる、てことです。
大切なのは2つです。
一つは「どんな子でも」大切にされるということです。
勉強が得意な子も苦手な子も、運動が得意な子も苦手な子も、おとなしい子も少しやんちゃな子も、みんな大切にされる、てことです。
二つ目は、大切にされるというのはどういうことか、ということです。
大切にされるというのには2種類あります。
・体を大切にされる。
・心を大切にされる。
では、まず「体を大切にされる」からお話しします。
今なら大問題!50年前は鞭を持った先生がいた
今から50年前の小学生はね、体罰なんて当たり前にありました。
手で叩かれるのはマシな方で、1メートルの物差しや竹刀で叩かれることもよくありました。
親も叩いて躾けるもんや、という感じで家でもよく叩かれていました。
僕の小学5年生の担任の先生がね。
海外研修旅行に行かれた時に馬や牛を叩く鞭を買ってきたんです。
なんのためやと思いますか?
言うことを聞かない生徒をそれで鞭打つためです。
僕なんか、授業中に笑っただけでその鞭で叩かれたんです。
太ももです。
そうしたらね、太ももがミミズ腫れといって赤く腫れあがりました。
今やったら大問題ですよ。
「この暴力教師!」て言ってテレビで大々的にニュースになってね。
昔の子どもはそんなふうに家でも学校でも叩かれていたんですね。
今の君たちはそんなことないでしょ。
なんでやと思う?
それは子どもの人権を大切にしようということになって、
子どもの体を叩くのはやめましょう、てなったからです。
体の人権、心の人権
だから、君たちの体は大切にされている、体の人権は守られていると言えるんだけど、心の人権はまだ十分に守られているとは言えないんですね。
例えば、
嫌で嫌で辞めたくてしようがない習い事をやめさせてもらえない子どもがいます。
1日の中で遊んだり、好きなことをする時間が30分もなかったりする子もいます。
「遊ぶこと」は子どもの権利です。
実は今年の4月から子ども家庭庁が作られました。
その目的は「こどもまんなか社会」の実現です。
それは子どもがもっともっと安心して「嬉しい」「楽しい」気持ちで過ごせる家や学校にしていこうということです。
そして子ども家庭庁が作られると同時に子ども基本法という法律ができました。
その条文には、その子に関係することについてはその子の意見をよく聞きましょう、その意見を尊重しましょう、て書かれてあるんですね。
だから、君たちが嫌な習い事をやめたいと言うことや、「もう少し勉強を減らして欲しい」「もっと遊びたい」と自分の気持ちを正直に打ち明けることは、君たちが幸せに暮らす上でとても大事なことです。
でも、なかなか言えないよね。
言ったら怒られそうやし・・。
そういう意味では、今の子どもたちは体の人権は守られているけれど、心の人権はまだ十分に守られているとは言えません。
未来の子どもたちはどんなだろう
時代が進んで人権意識も進んで、30年後、40年後の子どもたちはきっと心の人権も守られていると思うんですね。
心の人権とは、
嫌なことは無理やりやらされない、
好きなこと、やりたいことがもっともっと自由にできる、
ということです。
では、未来の子どもたちはどんな学校生活を送っているでしょう?
どんな家庭生活を送っているでしょう?
未来の子どもたちの暮らしを4、5人のグループに分かれて想像したり、話し合ったりしてください。
(その後グループで話し合ってもらい、意見を聞かせてもらいました。)
子どもの5つの願い
心の人権、て言った時に私は「子どもの5つの願い」というものを満たしてあげることが大切だと思っています。
子どもの5つの願いとは何か。
1つ目は、あいされたい。
2つ目は、ほめられたい。
3つ目は、よろこばれたい。
4つ目は、わかってもらいたい。
5つ目は、自分で決めたい。
この5つの願いが満たされて育つことができると自分らしく幸せに生きられる大人になると私は考えています。
教育とは「躾ける」ことや「教える」ことのように思われがちですが、自分らしく幸せに生きるためには「満たす」教育が必要であるように思います。(参加されている保護者の方に向けてお話ししました。)
それを今日はわかりやすくお伝えするために1冊の絵本を読みたいと思います。
「おこだでませんように」という絵本です。
絵本「おこだでませんように」
家でも学校でも怒られてばかりの小学1年生の僕。
僕はいつも怒られてばっかりや。
家では妹を泣かせたと怒られ、
宿題をしてないと怒られる。
「妹と遊んでやってたから宿題できひんかったんや」と言いたいけれど、
それを言うともっと怒るに決まっているから黙っとく。
学校では意地悪言う奴にパンチしたら
僕だけ先生に怒られた。
「あいつらが先に意地悪言うたんや。」
と言いたいけれど、それを言ったら
もっと怒られるに決まってる。
だから何も言わずに怒られる。
(わかってもらいたい)
僕はずーっと怒られてる。
ほんまは僕「ええ子やねえ」って言われたいんや。
僕はどないしたら褒めてもらえるのやろ。
(ほめられたい)
7月7日、僕らは七夕様のお願いを短冊に書いた。
僕は1番のお願いを心を込めて書いた。
(自分で決めたい)
「おこだでませんように」
それを先生に渡したら、先生はじっと短冊を見ていた。
先生はずっと僕のお願いを見ていた。
「あっ」
先生が泣いていた。
「先生・・、怒ってばっかりやったんやね。・・・ごめんね。
よう書けたねえ。ほんまにええお願いやねえ。」
先生がほめてくれた!
僕は驚いた。早速お願いがかなったからや。
その日の夜、先生から電話があった。
電話が終わると、お母ちゃんは僕を抱っこしてくれた。
「ごめんね、お母ちゃんも怒ってばっかりやったね。」
そう言いながらぎゅうっと抱きしめてくれた。
(あいされたい)
妹が羨ましがるので僕が妹を抱っこしてやった。
(愛されると人に優しくなれる)
「二人ともお母ちゃんの宝物やで」
そう言うとお母ちゃんは僕と妹をいつまでも抱っこしていてくれた。
七夕様 ありがとう。
今日僕はものすごく幸せです。
お礼に僕、もっともっとええ子になります。
(よろこばれたい)
おしまい。
今日はみなさんにこの「子どもの5つの願い」を書いた資料を渡します。
今日家に帰ったら、これをお父さん、お母さんに見せてください。
今日の講演会でこんな話を聞いた、て言って。
そうしたらきっとお父さん、お母さんがもっともっと優しくしてくれるようになると思います。
今日は僕の話を聞いてくださって本当にありがとうございました。
そして、一人一人違う詩を参加者全員にプレゼントしました。
< リンク >
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< 最近行った講演会 >
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「子どもの自信と意欲を引き出すプラスの問いかけ」
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2023年8月 朝来市教職員組合・養父市教職員組合主催
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2023年7月 島根県奥出雲町立布勢小学校
オンライン講演「自信と意欲を引き出すプラスの問いかけ」
https://mbp-japan.com/hyogo/hasegawa/column/5140240/
2023年7月 御津子育てつどいの広場
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2022年3月 ひめじ若者サポートステーション自立就職支援セミナー
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https://mbp-japan.com/hyogo/hasegawa/column/5131238/
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