舞鶴市立加佐中学校区PTA教育講演会

長谷川満

長谷川満

テーマ:教育・人権講演会

12月9日(金)は舞鶴市立加佐中学校で講演会がありました。
聞いてくださるのは加佐中学校区の保護者および教職員の方々です。
テーマは「自信と意欲を引き出すプラスの問いかけ」。

思春期の発達課題「精神的自立」

思春期とは12、3歳から17歳くらいまでの約5年間をいいます。
この時期の発達課題は「精神的自立」。
それは自分で考えて自分で決めるということです。



だから思春期に親とぶつかることは自然なことであり、
自分で考え、自分で決めたいと思うようになってきた証拠でもあります。

だからと言ってぶつかってばかりでは家の中がギスギスしてしまいます。
子どもを一人の人格として尊重する態度で接することが必要です。

子どもに関すること、例えば習い事を続けるかどうか、
部活をやめるかやめないか、
塾に行くのか行かないのか、
高校はどこに行くのか、
いつ勉強するのか、どれだけ勉強するのか、
親はそれらに対してアドバイスや提案は出来ても強制は出来ないと心得ておく必要があります。

親は自分の思いから「ああしなさい、こうしなさい」といつまでも子どもを自分の考え通りに動かそうとしがちですが、それは親子関係を悪化させるだけでなく、子どもの健全な発達も邪魔していることになるのです。

「プラスの問いかけ」の効果とその本質

 皆さんは普段子どもにどんな言葉をかけられているでしょうか。
「早くしなさい」
「宿題したの」
「いい加減にしなさい」
 親が子どもにかけている言葉の8割以上は注意、命令、禁止、叱責です。
 これらは親子関係を上下関係と見て子どもを親に従わせようとするものです。
 これでは反発を招き親子関係は悪化するばかりです。
 子どもに自信を持たせ意欲を引き出すためには、もっと子どもの話に耳を傾け、本当の気持ちを自由に言える雰囲気の中で対話しなければいけません。
 「対話」とは親と子が対等な立場で自由にものを言い合えることなのです。

 では、どのようにすれば子どもと対話できるのでしょうか?
 ちょっと例を挙げて説明しましょう。
 中学生くらいになると
 「先生、連立方程式なんて社会に出て使わへんやろ?使わへんのになんで勉強せなあかんの?」
 「先生、なんで日本人やのに英語なんて勉強せなあかんの?」
 「先生、なんで歴史やらなあかんの?済んだ事ばかり考えてんと未来のことを考えた方がいいやん。」
 こういうことを尋ねてきます。
 皆さん、そういう場合どうお答えになられますか。
 こういう場合にはもっともらしい答えをしてはいけません。
 「どうしてやろ?君はどう思う?」と問い返すのです。
 


 そうすると
 「海外旅行行った時に英語を話せないと困るからかなあ」とか子どもなりに考えて答えます。
 その時、その答えを否定せずに「そうやなあ」とか「そういう風に思うんやあ」とか柔らかく受けとめてやってほしいのです。
 そして、もっとその子の気持ちを聞いてあげてほしいのです。
 
 人は正直な自分の気持ちを受けとめてもらえた時、自分は「認められている」「愛されている」と感じると同時に、その受けとめてくれた人を「信頼する」ようになります。

 子どもにとってそういう愛されている自信や認められている自信が「自信ややる気を引き出す」のです。



 プラスの問いかけとは「子どもの気持ちをよく聞き、それを受けとめることで子どもの自信や意欲を引き出す言葉」なのです。



 < 資料1 >



 < 資料2 >



 

講演の最後に「許し合うと笑い合える」

 講演の最後は次のような言葉で締めくくりました。
 「子どもは何も子育ての上手なお母さんに育ててもらいたいのではありません。
  賢いお母さんや強いお母さんに育ててもらいたいのでもありません。
  あなたに育ててもらいたいのです。
  子どもたちはあなたに会いたくて、あなたに育ててもらいたくて、
  あなたの許に生まれてきました。
  だから欠点もあるがまま、そのままのあなたで育ててあげて下さい。
  だけどママには笑っていてほしい。幸せでいてほしい。
  笑うためには許すことが必要です。
  皆さんにも欠点はあるでしょう。
  皆さんはその自分の欠点を責めずに自分を許して下さい。
  そして自分を許したように、お子さんやご主人の欠点やダメなところも許してあげて下さい。
  そうすれば家庭に笑顔が生まれます。
  そうして皆さんが許し合って、笑い合って幸せに子育てしていかれることを心より願っております。
  誠にご清聴ありがとうございました。」
  

 終わりにお一人お一人それぞれ違う詩をプレゼントしました。
 主催者様のご厚意で拙著「あなたも子どももそのままでいい」(税込500円)の書籍販売をさせていただきました。ありがとうございました。
 
 

質疑応答

 「小学2年生の女の子の父親なんですが、いつもランドセルの中にプリントを入れたままで朝になってからプリントを出してきます。もっと前の日からちゃんとプリントを出すように躾けたいのですがどうしたらいいでしょう?」

 「なるほど。忙しい朝にプリント出されると本当に困りますよね。
  お気持ちよ〜くわかります。
  ところで、私は洗面台をいつもべちゃべちゃにして妻に怒られています。
  お父さんはいかがでしょう。
  また、リビングで電気つけっぱなしやストーブつけっぱなしで寝てしまったりするお父さんも多くおられると思います。
  そのほかにもお父さんがお子さんや奥さんに迷惑をかけられていることってたくさんあると思うんですね。
  あなた自身は思い当たることはありませんか?(「あります」との返答)
  講演でお話しした通り、許し合うことで家庭に笑顔が生まれます。
  こう言うと何かお父さんがお子さんを許すように聞こえますが、実はお父さんの方が子どもに許してもらっていることがたくさんあると思うんですね。気が付いていないだけで。
  自分は許す方ではなくて「許してもらっている方」だったと気付いた時に、本当の意味で許せるようになると思います。
  ということで「ま、いっかー」と大目に見てあげて下さい。」


 他に「兄弟ゲンカばかりして困っています」「中学生で不登校気味ですが、なんて声をかけたらいいでしょうか」の質問がありました。それらへのお答えはこちらをご覧ください。
 ⇨https://mbp-japan.com/hyogo/hasegawa/column/5125299/


        < リンク >

 
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      < 最近行った講演会 >

 2022年11月 福岡県PTA連合会南筑後ブロック研修会
 「自信とやる気を引き出すプラスの問いかけ」
 https://mbp-japan.com/hyogo/hasegawa/column/5124364/

 2022年11月 三重県私立学校保護者会連合会研修会
 「自信と意欲を引き出すプラスの問いかけ」
 https://mbp-japan.com/hyogo/hasegawa/column/5124151/

 2022年11月 舞鶴市立青葉中学校区PTA連絡協議会人権講演会
 「自信とやる気を引き出すプラスの問いかけ」
 https://mbp-japan.com/hyogo/hasegawa/column/5123967/

 2022年11月 高砂市立荒井中学校
 「自分の可能性を開く7つの問いかけ」
 https://mbp-japan.com/hyogo/hasegawa/column/5123130/

 2022年11月 和歌山県橋本市立清水小学校
 「自信とやる気を引き出すプラスの問いかけ」
 https://mbp-japan.com/hyogo/hasegawa/column/5122986/

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長谷川満
専門家

長谷川満(家庭教師)

家庭教師システム学院

発達障がいや不登校の子の意欲を引き出すには自己肯定感を高める必要があります。その子のありのままを受容し、信頼関係を築き、成功体験と褒め言葉で自信と意欲を引き出します。

長谷川満プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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