知っていますか?意外と多いお墓のトラブル(5・最終話)「墓石の公正競争規約」の施行までの流れ

能島孝志

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テーマ:お墓のトラブル

~以下のコラムからの続きです~

「(1)国民生活センターへの相談件数は年間1192件! 」では、
一般消費者の方々が考えている以上に意外と多い、
お墓・墓石のトラブルについて書かせて頂きました。

「(2)どんな内容のクレームが多いのか?」では、
実際に、国民生活センターに寄せられている、
トラブルやクレームの内容をご紹介いたしました。

「(3)墓石に関するトラブル・クレームの解決に向けて」では、
公正取引委員会および、消費者庁長官の認定を受けて定める、
業界のルール「公正競争規約」についてのご説明をいたしました。

「(4)「墓石の公正競争規約」の具体的内容(案)」では、
お墓・墓石に関するクレームをなくすための公正競争規約に、
どのようなルール作りが必要かの具体案についてご説明しました。


「墓石の公正競争規約」の施行までの流れ

この章では、これらの具体的内容を業界のルールとなる、
公正競争規約を施行するための流れについてご説明いたします。

前回のコラムでご説明させていただいた墓石販売のルールを、
業界のルールとして行政に認めていただくためには、
企業数、または売り上げ規模で業界の過半数の賛同が必要です。

そのためには、先ず、公正競争規約の施行に向けて活動をしている、
(一社)日本石材産業協会の会員の合意と協力が必要です。

そして、会員の皆さまの合意をいただいた後には、
日本石材産業協会以外の業界団体でも説明会を開催し、
公正取引協議会の設立に合意をいただく必要があります。

公正取引協議会とは、消費者庁と公正取引委員会に承認された、
業界のルールを遵守・推進する業界の協議会です。

入退会は原則自由ですが、墓石業者全体の数、
もしくは売り上げ規模で過半数の参加が必要となります。


公正取引協議会の運営は、会員からの会費でまかないます。


公正取引協議会で定めたルールを守れない方には、
是正勧告、退会勧告、除名などの罰則が適用されます。


公正取引協議会の設立まで

公正取引協議会の設立までには、消費者庁と協議の上、
全国各地で業界向けの説明会を行います。

その後、パブリックコメント(意見公募手続)で消費者に公開し、
問題がなければ、公正競争規約・施行規則・運用要領の認定を受け、
設立総会を開催し、公正取引協議会が発足いたします。

公正取引協議会が発足し、業界のルールが適用されることになれば、
一般消費者、ならびに、業界にとっても分かりやすいものになります。


消費者にとって、墓石に関する質問や相談をする場ができます。


消費者の望むものを適正価格でお求めいただけます。


墓石を販売する業界の者にとっては、二重価格表示などが激減し、
悪質業者を排除し、石材業界のイメージアップにつながります。

また、懲罰委員会や説明講習会などで、業界の質を向上、
維持させることで、業界の信頼を取り戻すことができます。

「墓石の公正競争規約」が施行、実現されるまでには、
今後、さまざまな協議を重ねていく必要がありますが、
本当の意味での、消費者が満足できるお墓を提供するためには、
業界全体が真摯に取り組み、一日も早い実現が望まれます。


     
              ~おわり~



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能島孝志
専門家

能島孝志(1級お墓ディレクター)

株式会社第一石材

「お墓はどこで建てても同じ!値段もたいして変わらないだろう?」なんて思っていませんか?建ててからでは手遅れです。一般消費者には分かりにくい、お墓の悩みを「1級お墓ディレクター」の能島孝志がズバリ解決!

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