知らない人が損をする?「指定石材店制度」という仕組み①あまり知られていない業界独自の制度
民営墓地は墓石購入時の石材店を自由に選べません!
これからお墓を建てようと考えておられる方にとって、
最も重要となってくるのが「墓地選び」なのです。
最近、民営墓地を購入後の方からのお問い合わせが多いのですが、
正直申し上げて、気休め程度のアドバイスしかできません。
墓地には、大きくは、「公営墓地」「寺院墓地」「みなし墓地」、
そして、「民営(民間)墓地」の4種類に分かれます。
「公営墓地」「寺院墓地」「みなし墓地」について詳しくは、
“お墓の選び方・墓地から石材店選びまで”をご参照頂くとして、
ここでは、「民営墓地」についてご説明していきます。
民営墓地、いわゆる宗教法人や財団法人が運営している、
公営以外の非営利法人が運営している墓地のことです。
チラシや新聞、テレビCMなどで募集広告を出している霊園です。
そして、民営霊園は墓石を購入する石材店を自由に選べません。
あらかじめ民営霊園(墓園)側が指定した石材店からしか、
墓石を購入出来ない「指定石材店制度」になっているからです。
それは、民営霊園内の墓地を購入する時に担当となった石材店です。
たとえ、その石材店が提示する墓石の見積り金額が高かろうが、
営業マンの対応が悪かろうが、その石材店で買うしかありません。
それが「指定石材店制度」なのです。
民営霊園の墓石の値段は高い!
「家から近い」「景観も良く設備が整っている」など、
民営墓地を購入するに至るまでには何か理由があったはずです。
都市部の民営墓地は、公営墓地と比べると立地条件が良く、
法要施設を併設した管理棟や無料送迎バスの完備など、
充実した設備を整えている霊園が数多く見られます。
つまり、設備投資にそれだけお金を掛けているという事です。
当然、その分、墓地や墓石の値段は高くなります。
分譲マンションでも、駅前とそうでないところでは、
同じ間取りであっても、値段が大きく違うの同じです。
この件に関して、富山でお墓の無料相談サイトを主宰されている宮崎さんが、
「墓石の適正価格ってあるんでしょうか?」に分かりやすく書かれています。
以下、宮崎さんのブログを原文のまま掲載させて頂きます。
>伊藤園の「お~いお茶」の500mlのペットボトル、
>適正価格っていくらなんでしょうか?
>自動販売機だと160円
>コンビニだと125円
>スーパーだと88円
>です。
>皆さん、どれが適正価格なんでしょうか?
>時には160円以上で販売されることもあります。
>観光地や山の8合目の宿とか。
>これって墓石によく似てるなって思いました。
いかがですか?
民営霊園の墓石の値段が高い理由をご理解頂けましたでしょうか?
墓地の利便性や設備より墓石を優先に考えるのなら公営墓地
市営墓地のような公営墓地の場合は民営墓地と違って、
墓石を購入する石材店を自由に選ぶことが出来ます。
石材店を自由に選べるという事は、比較が出来るという事です。
また、公営墓地の場合は永続的な管理体制が保証されると言う点です。
仮に、私どもの地元である神戸市営墓地を例に挙げますと、
神戸市が破たんしない限り墓地の管理体制は続くという事です。
民営墓地の場合の管理の永続性に関しては何とも言えませんが、
世界的な企業であっても破たんすることがある今の世の中において、
「100%絶対安心!」と言いきれないことだけは確かです。
そのかわり、公営墓地のある場所はおのずから限定されますし、
申し込み資格が定められていたり、希望者多数の場合は抽選となります。
まとめ
民営墓地と公営墓地のそれぞれの特徴を説明させて頂きましたが、
購入者が何を最重要項目に挙げてお墓を考えているかです。
家から墓地までの距離など、「墓地」を優先に考える人もいれば、
納得のいく品質と値段を考慮した「墓石」を優先に考える人もいます。
墓地を優先に選んだ場合、その墓地が民営墓地であったなら、
墓石の価格は、その霊園ごとの規定により異なってきますし、
墓石の購入も、その霊園が指定した石材店でしかできません。
仮に、それが高かろう悪かろうでもどうにもなりません。
当然、民営霊園でも、お金にいとめをつけなければ、
いくらでも良い墓石を提供してくれますがそれ相応の覚悟が必要です。
墓地と墓石の値段を合わせた金額がそこそこのご予算なら、
都市部の民営墓地で良い墓石を望むことはほぼ不可能でしょう。
そのあたりも踏まえた上での墓地選びが重要です。
繰り返しますが、民営墓地を購入された後にご相談を頂いても、
全くと言っていいほど、出来るアドバイスはありません。
それでも、納得のいく値段で墓石を建てたいのならば、
購入した民営墓地を無償で返還して新しく墓地を買うしかありません。
そうすれば、自由に石材店を選ぶことは可能ですが、
そこまで思いきって踏ん切りをつけれるかどうかです。
~おわり~
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