コラム
お墓の外柵(巻石)のデザイン[お墓・墓石の外柵の形]
2016年6月9日
お墓を建てる上で大切なのは、墓石本体や装飾品・付属品だけではありません。今回は、お墓の周囲としての役割はもちろん、機能性にも注目すべき外柵(巻石)についてご説明します。
外柵(巻石)の役割と機能性とは
外柵とは、お墓の周囲を囲う枠のことです。隣り合うお墓との境界線としての役割を持つほか、お墓にとって最も重要と言えるカロート(納骨室)を備えている部分でもあります。
墓所外柵を家に例えると外溝工事(エクステリア)部分にあたります。家の敷地内には建物本体以外に、門や塀、ガレージ、垣根、アプローチなどがあり、建物の外観と同様にその家のイメージを左右するものですから建物との一体感を重視します。
お墓の外柵の場合も同様に、墓石本体以外に門柱、玉垣、参道、そして霊標や燈籠などの付属品もあります。そのため、全体のバランスや機能性にこだわるならば、外柵のデザインにもこだわるべきだと思います。
お墓の主役といえば、「お骨」です。ご先祖さまが眠る場所であるカロート(納骨室)は、特に機能性や耐久性なども重視しなくてはいけません。
大切なお骨を守るための耐震性、耐久性はもちろん、カロート内に水が溜まらないような構造にするなど、外柵ひとつとっても、永代に渡り供養するための機能性を兼ね備えてこそ、トータルでのデザインと言えるのではないでしょうか。
私どもでは水の入らないカロートの設計に取り組み、お墓づくりに活かしていくため、2016年2月には特許出願もしております。
美しさと使いやすさを兼ね備えた外柵でバランスの良いお墓に
お墓を建てる時、特にデザイン墓石を選ばれると装飾品、付属品ともに、それぞれカタログや事例を見ながら、お好みのパーツを選ばれることがあります。
もちろんお客さまのご希望により各パーツを揃えることは可能なのですが、これらを合体させてお墓の設計をすると、全体的にデザイン墓石というには少し違ったものになる場合があります。
外柵もそれと同じように、せっかくデザイン墓石を作っても、他の和風墓石と同じような外柵にしてしまうと墓石本体のデザインにそぐわない結果になりかねません。このようにお墓を建てる際には、墓石、外柵ともどもトータルでデザインを考える必要があるのです。
外柵とは、単に隣り合うお墓との境界線という意味だけではなく、お墓全体のデザインや機能を支える基礎と言うべき役割を担っているのです。
美しさと使いやすさを兼ね備えた構造にすることが、本当のデザインだと思います。
バリアフリーや滑り止めなど外柵のデザインが重要なワケ
お参りにくる方々のことを考えて機能的な外柵にすることもおすすめです。
高齢の方々や小さなお子さんに配慮して、段差を減らしたバリアフリー設計にしたり、腰をおろしてゆっくりとお参りできるようにベンチを配したり。ベンチの下には、掃除用具などをいれておくための収納スペースを設けることもできます。
また、フロア部分には彫刻を施し美観性を高めながら、滑り止め加工を施すこともできます。
お墓に眠るご先祖さまだけでなく、お参りの方々にとっても足を運びやすいお墓であることが、ご家族やご親族の喜びになるのではないかと思います。
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