中国“消費期限切れ食肉”問題から見る中国産墓石の現状(4)大きな黒玉や白玉が出た石を墓石に使う。
(1)偽装は中国では当たり前
(2)墓石の偽装はあるのか?
(3)石材の薬品処理
(4)大きな黒玉や白玉が出た石を墓石に使う
上記のコラムからのつづきです。
墓石の表面には何か塗っているの?
弊社の墓石ショールームにご来場されるお客様の多くが、
展示しているお墓を見て、「何か塗っているのですか?」と言われます。
もちろん、何も塗っていません!(普通はそれが当たり前です)
石を丁寧に磨き上げた自然の輝きです。
石を磨くには工業ダイヤモンドを使用した専用の砥石を使い、
目の粗いものから順に、目の細かい砥石に替えながら根気よく磨いていきます。
その工程は、日本では通常8~9工程の研磨の後に、
バフを用いて、鏡のような光沢が出るまで磨き上げます。
しかし、中国の石材加工工場では、平均5~6工程研磨の後、
バフ仕上げと日本より少ない研磨工程で仕上げていきます。
その理由は、単にコストの問題です。
中国でつくるとなると、日本と同様の研磨工程というわけにはいきません。
中には、日本と同等に近い研磨工程で仕上げてくれる工場もありますが、
それはごくまれで、墓石の製作にかかる金額もかなり高額になります。
磨きの工程・精度の違いは艶持ちに影響します。
出来上がってすぐのお墓は、どれもピカピカと輝いていますが、
年数の経過とともに、その輝きも少しずつ落ちていきます。
磨きの精度の善し悪しにより、この劣化具合が異なってくるのです。
中国では、薬品やワックスを塗って艶を出す工場がある
中国での石材研磨工程が日本と異なるのは、コスト面で仕方がないとしても、
さらに磨きの工程を短縮して… というより、ろくに磨きもせず、
墓石の表面に、薬品やワックス等を塗って艶を出している工場もあります。
これは、一時的な艶なので、極めて短い期間で艶が落ちていきます。
このように、薬品やワックスを用いて艶を出しているのは、
中国の石材加工工場の中でも、やはり値段の安い工場に多く見られます。
ワックス等を使用した墓石は、砥石で丁寧に磨き上げたものと比べると、
異様な光り方をするので、プロが見れば違いは判るでしょうが、
これらを一般の消費者の方々が判るのは、すでに艶が落ちてからです。
一般的に、消費者が注文をしたお墓は、石材店から石材商社を通じて、
中国のどこかの石材加工工場でつくられ日本に送られてきます。
しかし、消費者は、どこの工場でつくられているのかは知りません。
それどころか、注文を受けた石材店すらも知らないのが通常です。
最近では、食品等にも作り手の名前や顔写真がされる時代です。
お墓は一生に一度あるかどうかの大きな買い物であると同時に、
決して安い買い物ではないだけに、つくり手が見えないのは不安です。
第一石材が行っている対策
先ず、弊社では薬品やワックスを使用するような工場には、
例えどれだけ値段が安かろうが、取り引きは致しません。
中国のどこの工場に墓石の製作を依頼するとしても、
私自身が直接、中国の石材加工工場へ出向き製品検品を行っています。
ここ最近の日本経済は長期間に渡るデフレの影響で、
とにかく安くなければ売れないという風潮が蔓延してきました。
お墓もご多分に漏れず同様です。
…といって、中国の石材加工工場の中でも安い工場を探し、
さらに、値段交渉をして製品をつくらせるとさまざまなリスクが生じます。
高いものがすべて良いとは申しませんが、
安すぎるものにすばらしく良いものはありません。
消費者の方々には、十分に注意をしていただく必要があります。
~おわり~
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