大島石の価格・ランク・品質の判定基準!大島石特級の墓石なら安心?
(1)大島石とはどんな石?
(2)大島石にはランク・等級があるのか?
(3)大島石特級でお墓をつくれば安心なのか?
(4)大島石墓石は本当に国産?
(5)日本と中国でつくる大島石墓石の素材の違い
(6)日本と中国では加工・製作方法が違う!
(7)日本と中国では磨きが違う!
上記のコラムからのつづきです
(8)日本と中国で加工精度が違う!
一見同じように見えても、実は違う加工技術
一般消費者の方々からすれば、お墓はどれも同じように見えるかも知れません。
洋型墓石やオリジナルデザイン墓石ならまだしも、伝統的な和型墓石ならなおさらのことでしょう。
しかし、お墓は工業製品のようにオートメーションで出来上がって来るものではなく、
自然の大地が生んだ「石」という天然資源を、人の手で一点一点つくり上げていくものです。
したがって、一見同じように見えるお墓も、よく見ると様々な違いが見えます。
その大きな違いの一つが、前回のコラムに書かせて頂いた「磨き」に加え「加工の精度」です。
それも、四角い平面の部分よりも、“蓮華加工”や“角花瓶加工の花立”や“亀腹加工”などの、
『やくもの加工』と呼ばれる特殊な加工における精度の差は、日本と中国では歴然たるものです。
▲香川県「庵治・牟礼」のやくもの職人、松原勲氏製作の蓮華加工
▲中国の石材加工工場による蓮華加工
「やくもの加工」の手順
やくもの(役物)加工とは、墓石竿石上部の香箱や陣笠、
墓石上台の亀腹加工やスリンなどの曲線加工、
また、角花瓶型花立や蓮華加工等の特殊加工のことを言います。
やくもの加工は、美しい曲線を出すために、手作業によって特殊な細工を行う作業であり、
さまざまな手法や工法を用い、職人技の見せ所とも言え、熟練した技術が求められます。
曲線の部分などは、荒く曲線に削られた後、手作業によってさらにきめ細かい曲線をつくっていきます。
曲線をつくる際に使用する工具を「グラインダー」と呼びます。
手の力と体重を上手く使ってグラインダーを絶妙に石の表面へ当て、凹凸のないきれいな曲線を描いていきます。
グラインダーで磨いた後は、水をかけながらさらに細かい部分を手で磨いていきます。
この時は、ハンドポリッシャーという工具を使用し、より細かい部分までしっかりと磨いていきます。
こちらも、荒い砥石から目の細かい砥石に変えていき、自分の影が石に映る位まで艶を出していきます。
▲中国の石材加工工場でのやくもの加工風景
中国での「やくもの加工」は、ほとんどがサービス加工
やくもの加工は特殊な加工のため、切削から研磨・成形加工に至るまで、
卓越した石職人の技術と集中力を必要とする難しい加工です。
そのため、日本国内で加工をする場合には別料金がかかります。
それも、すべてが数万円単位と結構高い金額になります。
石職人が手間暇かけ、細部に至るまで丁寧に仕上げていくので、
それなりの金額がかかるのは当然なのですが、それはそのまま販売価格に直結します。
これが、中国の石材加工工場だと、蓮華加工のようなよほど複雑な加工でない限り、
別料金はかからず、直線の四角いものをつくるのと同金額でつくってくれるわけです。
いわゆる、サービス加工というものです。
これは、20数年前に中国での日本向け墓石加工が始まったときに、
日本の石材商社と中国の石材加工工場との間で取り決めされたままなのです。
その当時の中国の経済状況は今ほど裕福ではなかったため、、
仕事さえ頂けるのなら、昼夜を問わず働いてくれる出稼ぎ労働者が数多くいました。
そのため、日本側は中国の石材加工工場にかなり困難な要求をし続けてきました。
また、その当時の中国の石材加工工場には、日本からの面倒なやくもの加工を、
安い賃金で文句も言わずつくってくれるベテラン職人も数多くいたため、
今の中国よりもかなり高い加工精度で製品が仕上がってきていました。
ところが、中国もここ数年の急激な経済成長で、これまでのような低賃金で働く者も減少したどころか、
工員不足を逆手に取ったここ数年の無秩序な賃上げ要求に、工場側も仕方なく応えてきた結果、
中国の石材加工に従事する工員の賃金は、決して安いとは言い難いレベルにまで上がってきています。
悲しいかな、全体的な工員の賃金レベルは急激に上がったものの、
逆に中国製品全体の技術レベルは下がっているのがここ数年の現状です。
このような、今日の中国の石材加工工場の現状下でも、
以前と同様、通常のやくもの加工はサービスでつくらせているのが通常です。
やくもの加工ができるベテラン職人が減ったこともありますが、
別料金が取れない加工に必要以上の手間暇をかけることは、
いかに中国と言えども、今の世の中では難しくなってきているのです。
別料金を支払えば、中国でもそこそこの「やくもの加工」が可能!
中国側からすれば、お金がもらえない加工なので精度を要求されても困るという訳です。
弊社は、オリジナルデザイン墓石を中心に展開しております関係上、
和型墓石と比べると、必然的にやくもの加工の箇所が多くなります。
そのため、加工精度を高めるために中国の工場側と交渉の末、
やくものに関する加工賃を別に支払うことにしています。
その結果、技術力の高い工場に依頼すれば、蓮華加工はともかくとして、
通常のやくもの加工については、特に問題の無い加工レベルに仕上がっています。
だが、石材商社を通じて、日本から石材製品が発注される際には、
大半のやくもの加工は、未だにサービス加工というのが当たり前の様です。
もちろん、中国で加工される大島石墓石の“亀腹加工”や“角花瓶型花立”なども、
当然のごとく、サービス加工でつくられる『やくもの加工』の代表的な加工です。
▲香川県「庵治・牟礼」の一流石材加工工場でつくる“角花瓶型花立”
これらを、日本でつくれば、別に支払う加工賃だけで軽く10万円は超えますが、
サービス加工でつくられるやくもの加工と比べると天と地ほどの違いの出来栄えです。
せっかくの国産高級石である大島石墓石に、加工精度の悪いやくもの加工であなたは満足できますか?
~つづく~
『墓石大賞』受賞・5度の実績!
1級お墓ディレクター・能島孝志がご提案する
震度7に対応した“こだわりのお墓づくり”はコチラまで
http://www.daiichisekizai.com/