国産墓石と中国産墓石のどっちが良いのか?⑤日本と中国の墓石加工方法の大きな違い!
■国産墓石と中国産墓石のどっちが良いのか?①よく分からないお墓の選択基準?
http://mbp-japan.com/hyogo/daiichisekizai/column/32958/
■国産墓石と中国産墓石のどっちが良いのか?②どこの誰が作るかが重要!
http://mbp-japan.com/hyogo/daiichisekizai/column/32997/
■国産墓石と中国産墓石のどっちが良いのか?③「国産」の定義とは?
http://mbp-japan.com/hyogo/daiichisekizai/column/33001/
■国産墓石と中国産墓石のどっちが良いのか?④産地近くでの加工がベスト!
http://mbp-japan.com/hyogo/daiichisekizai/column/33088/
■国産墓石と中国産墓石のどっちが良いのか?⑤日本と中国の墓石加工方法の大きな違い!
http://mbp-japan.com/hyogo/daiichisekizai/column/33087/
■国産墓石と中国産墓石のどっちが良いのか?⑥中国産墓石の流通経路?
http://mbp-japan.com/hyogo/daiichisekizai/column/33162/
■国産墓石と中国産墓石のどっちが良いのか?⑦自社加工と自社施工の違い?
http://mbp-japan.com/hyogo/daiichisekizai/column/33228/
■国産墓石と中国産墓石のどっちが良いのか?⑧国産墓石と中国産墓石の研磨と加工精度!
http://mbp-japan.com/hyogo/daiichisekizai/column/33250/
上記のコラムからの続きです
国産の墓石の材料となる日本で採掘される石には、
「庵治石」「本小松石」「大島石」「万成石」「天山石」など
それぞれの石材にきちんとした名前が付いています。
しかし、中国で採掘される石にはそのような名前が付いているものは少なく、
「G623」「AG98」「101CA」「K12」「G663」など
アルファベットと数字で表記された名称の石材がほとんどです。
インドで採掘される石も「M-1H」「MU」「YKD」などと同様です。
▲「AG98」㈳日本石材産業協会発行/墓石用石材規格カタログより
これらは、その石が採掘される地域や採石丁場の記号や番号が
そのまま石材の名称となったものが数多くあります。
そして、墓石として製品加工され日本に輸出される際にも、
その石材の正式名称としてこれらの記号が使用されるのです。
ただ、我々のように墓石の販売に従事している者にとっては、
これらの名称は日ごろから聞き慣れていますので、特に違和感はありませんが、
石材店の店頭に「AG98高級青御影石墓石」と表記された墓石を消費者が見たときに、
はたして、表記通りに高級青御影石のイメージを持ってくれるでしょうか?
消費者から見れば、「AG98」や「K12」などと表記されていると、
自然の石ではなくて、人工の石だと思っている人もいるようです。
また、販売する側も同様に「安っぽいイメージのため売りにくい!」
…と思っている石材店等も少なくありません。
▲霊園の墓石販売チラシ
このような理由から、取り扱う中国産等の墓石が、
少しでも、消費者に良く見せる方策として、
石材商社や石材店、霊園、仏壇店など墓石を取り扱う業者が、
それぞれの石におのおのが好きな名前を付けて販売するのです。
たとえば、香川県にて採掘される最高級墓石材「庵治石」に
少し色目が似ているというだけで「中国庵治」とか「●●庵治」などの名前を付け、
愛媛県の高級墓石材「大島石」に石目が似ていれば「●●大島」などと付けられるのです。
日本で採掘される本物の「庵治石」や「大島石」と比較すると、
見た目の風合いも、石質等も全く似て非なるものなのですが、
消費者側からすれば、かなりまぎらわしい名称なのは確かです。
これら石材店等独自の名称を付ける目的としては高級イメージを出すためと、
もう一つは、他社と相見積りとなった場合に見積書を見たときに
実際にはどの石で見積りをしたのかを判りにくくするためでもあるのです。
しかし、まだ「●●庵治」や「●●大島」などはマシな方で、
中国産のどの石にそのような名前を付けたかが、
プロの石材店ならば、おおよそ想像できるからです。
これが、「庵治石」や「大島石」とは全く関係のない、
「雲龍石」や「白鷺石」などの名前が付けられている場合には、
本来の石種を想定するのはかなり難しくなるでしょう。
たとえて言うならば、スーパーの鮮魚コーナーに並べられている魚が、
スーパーごとにまちまちの名前が付けられていたとしたらどうしますか?
「マグロ」や「カツオ」がそれぞれの店で違った名前で売られることになるのです。
(魚の場合は地域によって呼び名が異なる場合はありますが…)
もし、そんなことになればきっと大問題になると思います。
一般社会ではとんでもない大問題となってしまうようなことが、
墓石業界では、ごく普通に当たり前のように行われているのです。
また、トラブルの原因となることも珍しくなく、
消費者への不信感につながってしまう恐れもあります。
㈳日本石材産業協会でも、こうした業界の不信感を払拭し、
消費者への信頼を築く意味でも石種の名称統一を目指してきましたが、
規定法律や強制力が無いため、どうすることも出来ないのが現状です。
これらのまちまちな名称は、中国側が行なっている訳ではなく、
利益追求に走る、日本国内の墓石販売に携わる各会社が行っているものです。
独自の名称が法的には問題無いのかも知れませんが、
消費者の立場に立った商売とは言い難いものであります。
~つづく~
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