知らない人が損をする「指定石材店制度」という仕組み⑦指定石材店制度に関するトラブルの実例 /神戸新聞マイベストプロ神戸主催セミナー「お墓選びで知っておきたい5つのポイント」おさらい
中国産墓石の品質のバラつき
前回のコラムでは、中国の石材加工工場でつくられるお墓に
品質のバラつきが生じる要因についてお話させていただきました。
もちろん、石材商社がお墓の加工・製作を発注している
中国の石材加工工場には、完成した製品を検品する担当者がいます。
中には、日本から検品担当者を中国に出向させている石材商社もあります。
しかし、いずれにしても中国の石材加工工場における検品担当者は、
直接お客様からお墓の細部にわたる要望や依頼内容を聞いた訳ではありません。
ましてや、お墓の卸業を専門とする石材商社となると、
一社の石材店だけを対象に取引をしている訳ではないのです。
したがって、受注するお墓の数、すなわち検品の数も膨大なものになります。
そのような状況下の中で、多くの中国産墓石がつくられていく現状のシステムにおいては、
石材店がお客様から受注したお墓の詳細についての要望のすべてを石材商社に託し、
石材店やお客様が望む完璧な製品づくりを求めるのはかなり無理があるように思えます。
中国の石材加工工場で日本向けのお墓の加工・製作が始まった
今から約二十数年前は、中国の生活水準も今とは大きく異なり、
人件費も格段に安い時代でした(その昔の日本も同じでしたが…)。
また、お墓の形も、東京型、名古屋型、京都型、大阪型、神戸型など、
地域によってそれぞれ微妙に形は異なるものの、伝統的な和型墓石が主流で、
キリスト教式の洋型墓石を除くと、比較的画一された形状のお墓が大半でした。
したがって、石材商社を通じて中国の石材加工工場にお墓の製作を依頼する場合、
石材の種類と量に基本加工費を含んだ価格設定がなされているだけなのが通常です。
「蓮華加工」のように特に手間がかかり、高度な技術を要する加工を除くと、
石材店が石材商社を通じて発注される、ありとあらゆるお墓の形状に対して、
とりわけ特別な加工費なるものを中国の石材加工工場に別途支払う必要なく、
基本加工費を含んだ石代のみを支払うだけで加工させているのが現状です。
それでも、二十数年前のその当時のお墓の形は、特段変わったものは少なく、
有ったとしても、ごく稀に少し複雑な加工を要す外柵や付属品がある、
といった程度だったので、石材商社側、また中国の石材加工工場側としても、
前述の取り決め価格でなんとか要望に応えることが出来ていたのです。
しかし、近年においては、お墓の形も、人々の考え方も好みによって多様化し、
一般的な形式にとらわれない個性的なデザインの墓石を求める人も増えてきました。
中には、故人の職業や趣味、自然観・宇宙観などの「自分らしさ」を表現した形もあります。
こうした「デザイン墓石」の出現に伴い、お墓の形状はより複雑になり、
石職人が加工・製作に要する時間も以前とは比較になりません。
ここまで、それぞれのお客様ごとに形が異なるお墓が出回ってくると、
石材商社にお客様の要望の内容のすべてを託し、その後はお任せ!
といったシステム(石材商社へほぼ丸投げ)の現状下においては、
完璧な製品づくりをすべて石材商社に望むのには限界があります。
それも、特別料金を支払うわけでもなく、基本価格のみで、
かなり手間のかかる加工を短納期で要求している現状では
製品の精度にバラつきが生じる傾向は解消できないのではないでしょうか。
~つづく~
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